声劇台本2人用「空き時間」
コペル
「空き時間」
A:男
B:女
A:なんか…変な感じ
B:フフ…そうね
A:まさか、これでOK貰えるなんて…
B:あら?じゃあ…またやり直す?
A:それは嫌!せっかく、ようやく掴んだのに…
B:なら、ウダウダ言わないの
A:ごめん…
B:あっ、すぐそうやって謝る!
A:ごめん
B:ほら!私…そんな男は苦手よ?
A:……
B:しっかりしなさい!誰かに言われた訳じゃなく…貴方が決めたんでしょ?
A:それは…そうだけど……
B:けど…じゃないわよ!
A:本当に良いの…?後悔してない?
B:何?後悔してて欲しいの?
A:そんなつもりは無いよ
B:なら良いじゃない…貴方が求めて、私が応えた…ただ、それだけ
A:ありがとう
B:そう、それで良いの
A:コレ…そんなに多く無いけど……
B:え?何これ…「金一封」って?バカにしてるの?
A:そんなつもりじゃ…
B:私…そんなに安く無いわよ!!
A:やっぱり…ごめんね……少なくて
B:私、貴方がお金持ちだから…しぶしぶ選んだって思われてるの?
A:そんな!?…でも、そう思われても…仕方無いな……
B:バカ…バカ!本当…下手くそ……
A:そうだね…いつも…何も…わかって無いね
B:でも…そんな貴方だから…選んだのよ
A:ありがとう
B:良いのよ
A:でも…やっぱり何か、お礼はさせてよ!
B:何かって?例えば何が出来るの?
A:食事や物…あとは…思い出?
B:また…釣ろうとしてない?
A:そんな事無いよ!
B:じゃあ、貴方が決めて!
A:うーん…どうせなら、暖かい所が良いから…沖縄行こ!
B:沖縄ねぇ…
A:そう!沖縄!リアス式海岸も、見飽きたでしょ?
B:それはそうだけど…
A:なら行こうよ!沖縄
B:沖縄かぁ…食べ物がなぁ…
A:えー!?いろいろあるやん!ゴーヤチャンプルーにソーキそば、サーターアンダギーに、ラフテーとか!
B:ヤギ肉がちょっと苦手で…
A:独特のクセが、あるからねぇ、でも豚は美味しいよ!
B:豚いっぱい食べて、私も豚になれって?
A:そんな事言うて無い!それは被害妄想!
B:あぁ…ごめんなさい
A:それに、南国の海に水族館!首里城は…うん
B:あぁ…ね…でも良いわ、一緒に行ってあげる
A:なんか…お礼のハズが、俺が一番楽しんでるな
B:良いんじゃない?楽しまないと勿体ないし
A:貴女に楽しんで貰いたいのに!
B:貴方が楽しんでる所、いっぱい見せてくれるんでしょ?
A:それは勿論!
B:フフ…楽しみにしてるわ
A:他に…何かやりたい事とか…あったりする?
B:そうねぇ…いきなり言われても、困るわ
A:じゃあ、考えといて!
B:わかった!って…そろそろ時間じゃないの?
A:え?あぁ…ちょっと確認してくる!
B:もう…しっかりしなさいよ…ホント、私こんなところで、何やってんだろ…
間
A:ごめん…なんか段取り悪くて…もうちょっとかかるみたい…
B:そう?なら…少しだけ外の空気、吸って来ても良い?
A:うん…でもあんまり遠くには、行かないでね
B:わかってるわよ…じゃあ…後でね
A:そう言って、彼女はドアの向こうに消えていく…少し寂しそうな背中から、彼女の心持ちが揺れているのがわかる…多分追いかけた方が良いんだとは、気付いているが…どんな言葉を掛ければ良いか、答えを持って無い俺は…この場所に立ってるしか、出来ないんだろう
B:やっぱり…追いかけて来ないんだ…別に来て欲しい訳では無いんだけど、一人で進むこの廊下は…やけに広く感じて、少し居心地が悪い…足早にエレベーターのボタンを押し、ドアが開くのを待つ…このたった少しの時間が、とても長く感じてる今は、やっぱり一人の方が良いんだと、改めて実感する
A:ごめん!やっぱり一緒に行く!ほら…1人で待ってても仕方ないし…それに、やっぱり…貴女と居たい…です……
B:その言葉に振り返り、貴方の…何処か気恥ずかしそうな、バツの悪そうな、なんとも言えない顔を見てると、エレベーターは行ってしまった…
A:あっ…
B:フフ…
A:ごめん…
B:良いのよ…ううん、これで良かったの
A:あっ…そろそろ…準備出来たみたい
B:わかったわ
A:じゃあ、行こうか
B:うん、ちゃんとエスコートしてよね?
A:もちろん!
間
A:では「B」さん入られまーす!
立ち位置OK?よーし、本番お願いしまーす!
B:(ハイテンションで)
あっけらピーのポイポイポイ!
ワン!ワン!わんこそば!
……(色っぽく)貴方もどう?
私のそばに、お・い・で
A:ハイカットー!
fin
声劇台本2人用「空き時間」 コペル @gadomoroha
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