第24話 あと少しで俺たちの勝ちだ!
もう少し、あと少しで湖だ。 ここを切り抜けられれば俺の勝ちだ。
「ヴゥゥ」
対する相手は低く唸り声をあげて狙いを定めていた。
『あと一歩が遠い』
「ヴゥゥモォ!」
もう何度目かわからない突進。 俺の体を貫かんと
『だから! お前の突進は俺には届かねぇよ!』
今回はステップで回避したあと、
『良し! 湖まで出られた!』
湖の岸際に蒼と倒れているロゼがいた。
「ーーッ!? し、師匠! ロゼが急に倒れて!」
『ロゼは、魔力不足による魔力欠乏症に陥っている! 蒼! お前でも魔力をロゼに流せるだろ! それで、ロゼを助けてやってくれ!』
「や、やってみる!」
そう言って蒼は、倒れているロゼに俺は、
『二度もロゼの魔力を使っちまったからな。 あとで説教でもなんでも聞いてやんよ。 だからこそ、お前に勝たねぇとな』
『水魔術
そう呟いて、俺は水の上に立ったときに俺と
さらに俺は湖の中央に進んだ。
「ヴゥゥゥモォォォォ!!」
「ヴゥゥモォ!?」
バッシャーーン!! と、
良し! 掛かった! これでーードゴーーン!! なんだ!?
何かが爆発したか、爆発音は学院の校舎の方で聞こえた。
『オルバリオ……は無事だな絶対』
あの魔族は、過去のことは知っているが、今のオルバリオに比べるとまだまだ弱い。 魔王軍幹部の一番槍が強いことは重々承知しているが、それでも、成長したあいつは倒せないだろう。
『向こうは向こうに任せてこっちは! 水魔術『水流』!』
湖に落ちた
「ヴゥモ!……ヴゥモォ!……」
湖に溺れながらも、攻撃を仕掛けようとしている
「ヴゥゥモォォ!」
『
ここでは制約により地形を変えるほどの大魔法は打てないはずだが、
ジュゥゥアァァ、と湖の水が干上がり湖の底に立っているようになった。
『あーぁ、俺が読み違うことは少ないと思ってたけど、今回ばかりは、読み違えたな。 でもな、俺は諦めないぜ? お前ぐらいのやつに諦めたんじゃあ、あいつには永遠に届かなくなるからな!』
その時、ザザァと、干上がった湖を降りてくる影が二つあった。
「コンちゃん、どうするの?」
「師匠! やってください!」
『そうだな、誰かが来るまで耐える!』
さっきの爆発音は、オルバリオとあの魔族との決着がついた証、じきにここに応援が来るだろう。
『さて、持久戦だ。 向こうの体力とこちらの体力。 どちらも限界に近いだろうがやるぞ』
おぉ! と二人とも意気込み
「ヴゥゥゥモォォォォ!!」
『二人とも左右に回避!』
「「はい!」」
息のあった回避行動により、
『あと少しで俺たちの勝ちだ!』
「コンちゃん!」
『なんだ?』
「やってみたいことがあるの」
ロゼが珍しく自らやりたいことがあると言ってきた。
『何をやりたいんだ?』
「コンちゃんと私の
『合技か……ん、わかった。 お前の『岩拳』と俺の『焔魔法』を合わせてやるぞ』
ロゼはすぐさまに『岩拳』の発動準備に入った。
『蒼! 俺とお前の二人でロゼに狙いがいかないようにするぞ』
「え! ホントにですか!?」
『当たり前だ!』
蒼があまり狙われないように
「準備出来たよ!」
良し! これで決める。 決まらなくても決まっても俺たちの勝ちだ。
『行くぞ! ロゼ!』
「うん!」
俺はロゼの肩に乗り同時に魔力をロゼからかなりの量をもらった。
『「燃えろ! 『
燃えている岩の拳が
「ヴゥゥモォォォ!!」
「た、倒……した……?」
ロゼは、そう言って力尽きたように倒れた。
『ロゼ! 蒼! 魔力を頼む!』
俺がそう言うと蒼がロゼの元に駆け寄ってきた。
「ヴゥ……ヴゥモォォ!!」
『決まらなかったか!』
まだまだ元気だぞ! というように立ち上がってきたが、もう少しで倒せるのは見たらわかるぐらいに消耗していた。
俺も魔力欠乏症になりかけていて、魔法の一発も撃てそうにない。
『来いや! これで最後だ!』
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