第2話 Xジェンダーと書いてあるけれど

 このエッセイのタグに「セクシャルマイノリティ」「Xジェンダー」とついているのはご存知でしょうか。

「それで検索してきたんだよ」

 という方もいらっしゃるかと思います。

 この「Xジェンダー」というタグ、本当は別のタグにしたかったんです。


「クエスチョニング」


 なんだろう、それは。

 とお思いの方もおられるでしょう。雑に説明してしまいますね。

「性自認がわからない」「性自認や性的指向を(わざと)決めていない」「自分の属性を模索している最中」

 これをクエスチョニングというらしいのです。自分の性別や性的指向を模索している間のの性自認を「クエスチョニング」と呼び、その期間を経て、自分が男なのか女なのか無性別なのか、レズビアンなのかゲイなのかといった「答え」にたどり着く、ということのようです。


 私はまだ、自分の心の性別を確定できていません。いえ、性別迷子であることは確定しているので、別の言い方が必要ですね。

 自分の心のあり方を、こうだ、と断言することが、できません。


 なので、本当は「クエスチョニング」というタグを使いたかった。じゃあ、なぜ使わなかったのでしょうか。

 クエスチョニングで検索しても、一件も出てこなかったからです。

 心細かったからです。

 皆さん、この、心のあり方に迷い、自分を探す、男から女かもわからず不安になる期間を、経験してらっしゃらない? と、一気に寂しくなったからです。

 LGBTQのQは、クィア、またはクエスチョニングのことですので、ぜひ心の片隅にでもメモしてくださればと思います。


 私がXジェンダーかどうかは私にとって些細な問題ですので、別に語らなくてもいいかな、と思います。

 その名称で呼ばれることに重点は置いていませんので。

 ただ、分類するならおそらくは、Xジェンダーの不定性なのだろう、とは感じますが。

 その分類がなくても私は私なので、さほど気にせず生きていくつもりです。


 日によって心の性別が違うのって、少し楽しいんですよ。タンスがパンパンになって。男物の服と女物の服、どちらも捨てることができないので。

 昨日と今日と明日で、着たい服、履きたい靴が変わるので、それなりにバリエーションを揃えておかないといけません。なのでタンスはパンパンなのです。


 音楽の趣味、味覚、振る舞い、あまり変わりません。精神的な性別が変わったところで、これまでの人生の積み重ねが一気に「無かったこと」になるわけではありませんので、そのまま継続です。引き続き「私」をお送りいたします。

 ……あ、そういえば、振る舞いはガラリと変わったことがありましたね。あれは感情に振り回されていたころのことでした。いつか話せたら話しますね。


 私の体は女です。

 ですが、骨盤はもう少し小さく生まれてきたかったなあと思います。

 凹凸のない体がよかったなあ。

 そんな、クエスチョニングな私でした。

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