第2話 価値観

通勤電車の中。


近くに座っていた母親が、その息子にいい放った。


「ゆうくんは男の子なんだから、かわいいじゃなくてカッコいいだよ。へんな方向に行っちゃダメよ。」


私は呆れた。価値観の押し付け。それが彼の苦しみを生むかもしれないというのに。


多様性は尊重されるべきだ、と思う。


そういえば、過去に言われて傷ついた。


「椎茸は電車に乗るな。」


そう言われても、私は生まれてこの方椎茸であり、

変わることなどできないのに。



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