200文字小説〜ベリーショート

松元嬉々

第1話 自首

「すみません、私、自首します。」


「はい?」


「ですから自首させてください。」


「何をしたんですか?」


「万引きを…したかもしれません。」


「大丈夫です。その手に持っている物の代金を払えば。」


「罰金刑でしょうか?」


「いえ。ですから、そのシュークリームの代金をください。それで済みます。」


「分かりました。では、自首させていただけるのですね。罪が重くなるのは怖いのです。」


「無理ですお客様。ここはコンビニです。」


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