大禹謨

『書経』「虞書」の「大禹謨だいうぼ」に君主は愛するべきだ、人民は恐れるべきだ(可愛非君、可畏非民)、とある。人民は君主がいなければ誰を戴けばよいのか。君主は人民がいなければ誰とともに国を守るのか。君主は至って貴く、人民は至って卑しいのは天地が等しくないようなものだと言う。しかし、君主がなければ人民は何を仰ぎ、何を戴けばよいのか。人民がいなければ、君主は何によって自分の国を守り、正統を守ればよいのか。君臣が一体なのは、体から股や肘が離れられないようなものだ。君主というものはこのことを心に留めて、決して忘れてはならない。


※ 「大禹謨」とは禹王の遠大なはかりごとという意味。

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