29.タイタンの妖女

 これはカートヴォネガットの作品だけど、ヴォネガットといえば(私の偏見かもしれないが)、基本的にめちゃくちゃな作風なわけですが、今回初めて読んで意識は変わりました。確かに話はあちこち飛ぶしわけのわからないところも多いけど、どこか真理を語っているとわかるわけです。語り口はシニカルで滑稽さに溢れてるんですが、悲しみを内包した美しさにあふれた作品なんです。この小説はあらすじを言っても絶対に理解できないからぜひ読んでほしいんだけど、簡単に言うとこうです。

 ウィンストン・ナイルズ・ラムファードは、クロノシンクラスティックインファンディブラムというブラックホールみたいなやつの中に入って、そこで未来も見通す神様のような能力を手に入れて、それを使ってある目的を成し遂げようとする...そのために必要なのが主人公のマラカイ・コンスタントという男で、彼は信じられないくらいの金持ちなんですが、彼は火星に行き、それから水星に行き、また地球に帰ってくるとラムファードは予言する...っていう、意味わからないでしょ? 私もわかりません。

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