とある村の反乱 〜勇者立入禁止!?〜

@kazu0518

第1話 聖剣、我が村にあり!

「ぬおおおぉぉぉぉぉ!!」


パワーに如何にも自信ありという戦士だろうか。

見ている村人らは声援を送ったりしている。

……が、その剣はピクリとも動かない。

抜けそうな雰囲気すらない。


「…っあぁぁ、ダメだ抜けない!」

「そりゃ簡単には抜けんよ」


そう言うと、そのお爺さんは戦士の肩を叩く


「…おら、持っていけ」

「ほっほっほっ、毎度あり。また挑戦したければいつでも来るが良いぞ」

「もうやらねえ。抜ける気がしねえ」

「勇者になり損ねたのぅ」


その戦士は疲れからか何も言い返さずに、その剣から離れて帰っていった。


『村長様、また挑戦者だったんですか?』

「ん?おぉ、シスター」

『結果は…これが残っているのが証拠ですね』

「そうじゃな」


そういうと村長はパシパシと刺さったままの剣を叩くと、戦士から渡されたゴールドをシスターに渡す。


『今月もかなりの挑戦者の数でしたね』

「だからこの村は成り立つんじゃよ」

『最初に村長様が、挑戦者からお金を取ると言い出した時はどうなるかと思いましたけど』

「簡単には抜けんよ…。なんじゃからな」


───ニワトリと卵

ニワトリが先に居て卵を産んだのか。

卵が先にあってニワトリが産まれたのか。


だが、この世界では違うのだ。


───聖剣と勇者

聖剣を抜いたら勇者なのか。

勇者だから聖剣が抜けるのか。


聖剣を抜ける者が現れるのはいつか!?

村の財源が潤うのが先か!?


それはこの刺さった聖剣だけが知る。







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