いちごのワンピース

恋下うらら

第1話

 私はあっこちゃん。

 いちごがついたワンピースが好き。

 真っ赤な大きないちごがポロッととれそう。

 いちごが1つ、2つ、3つ。

 母が作ったワンピース。

 いちごが4つ、5つ。

 それが首飾りになったり。

 本物のいちごになったり。

 大切なワンピースが風にのってふわり。

 飛んでいってしまいました。

 「さがして、さがして。」

お母さんも、お父さんも、お兄ちゃんも

必死でさがします。


 私はいちごのいっこちゃん。

 私の友達はあっこちゃん。

 いつもいっしょ。

 私の事をかわいいと言ってくれる。

 指でつまんで食べたそう。

 毛糸でできた私は、いちごのポロッとした形をした真っ赤な女の子。

 いちごが1つ、2つ、3つ。

 あっこちゃんのお母さんが作ってくれたワンピース。

 ポロッととれてコロンと落ちた。

 いちごが4つ、5つ。

 その時、私は実になる。

 あっこちゃんもそんな私をおいしい、おいしいと食べてくれる。

 もう1ついちごがぽろり。

 1つ、2つ、3つ。

 4つ、5つ、それが首飾りになった。

 あっこちゃん大喜び。

 大切なワンピースが風にのってふわり、ふわり。

 飛んでいく。

 「ここよ、ここ。」

お母さんも、お父さんも、お兄ちゃんも、

あっこちゃんも私をさがす。

 いちごのいっこちゃん。

 風にのってふわり、ふわり。

 あっこちゃん、私をさがして、さがして。


 いちごのいっこちゃん。

 私はあっこちゃん。

 大切なワンピース、風にのってふわり、ふわり。

 あれ、空からたくさんのちょうちょ。

 ふわり、ふわり。

 おいしそうないちご。

 かわいらしい女の子。

 赤や黄色、青や白いろ。

 お空にたくさんのちょうちょ。

 わっー、きれい。

 あっこちゃん大喜び。

 大切なワンピースを着て、たぁくさんの

ちょうちょ。

 あっこちゃんもふわり、ふわり。

 風にのってふわり、ふわり。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る