アリスとラビーの新しい生活(3)
アリスとラビー王女は昼食が終わると、子供たちに囲まれ、近くの川に魚を釣りに行き。2人は、子供たちをそっちのけで何匹釣れるか競争することに。2人とも真剣勝負、果たしてこの勝負どちらに軍配が。
1時間後、アリス2匹、ラビー10匹、ラビー王女の勝利。ラビー王女はこの場所で、釣りをしたことがある。しかし、アリスは1度も釣りをしたことがないが、悔しがっていた。
2人は、子供たちとテントがある場所に戻ると、午後3時を過ぎ、体育館に行くことに。子供たちに手を振り、セグウェイに乗り、体育館へ向かった。
2人は、20分くらいで体育館に着き、アリスは驚いた。そこには、バスケットコート5面分、縦120メートル、横50メートルの大きな体育館。2人は体育館に入り、アリスは辺りを見渡し。
「これくらいら広ければ、あの技を磨くには十分ね」
「お姉ちゃん、なんで体育館なの!? この近くに広いグランドもあるのに」
「ここなら気流に影響されないから、あの球体が風に流されることもないと思って。それと、科学的分析も必要だから室内の方がいいからね。しかし、広いねー、ここ……」
なるほどねと、ラビー王女は納得し。アリスは辺りを見ていると。
「ラビー、あの瞬間移動って、どういう仕組みなの?」
突然、瞬間移動の仕組みを聞かれ、その質問にどう答えていいのかわからないラビー王女だが、とりあえず瞬間移動のやり方を説明した。
まず、移動したい場所を頭に浮かべ。次に、その場所に「行きたい」と呟くと瞬間移動できる。
ラビー王女は超能力者。以前、アリスとラビー王女が瞬間移動した時、目を瞑った。本来なら目を開けなければならない。もし瞬間移動した時に目の前の障害物を回避できないから。
瞬間移動は、車酔い、船酔いみたいになる場合があると言う。ただ、移動先に障害物なければ、目を瞑れば酔わない。
ラビー王女はまだ瞬間移動に成れてなく、たまに酔うことがある。訓練を積めば酔わなくなる、人にもよるが。ラビー王女はこの時、ここで酔わないために瞬間移動の訓練をすることに決めた。その時、ラビー王女の隣にいたアリスがいない。ラビー王女は辺りを見ると、なんと100メートル先にアリスがいる、なぜか手を振っている。
それを見たラビーは、私、いつの間に瞬間移動をしたの、無意識、さっき瞬間移動のことを考えたからなの、 まだまだ訓練不足だなと思っていると、何か気づき。
「違う、私、瞬間移動していない」
ラビー王女は瞬間移動していなかった。瞬間移動したのは、アリスの方だった。あの奇跡の出来事から、超能力者になっていた。
アリスは、瞬間移動でラビーの所に行き。
「ねぇ、今の見た!? 驚いた? 私、瞬間移動できちゃった。なんで!? どうして!? 凄いよね!? 目を開けても酔わないよ」
まるで子供のようにはしゃいでいるアリスは、そこらじゅう瞬間移動をしまくっている。挙句の果てに、ラビーの部屋にある冷蔵庫からコーラを2本持ってきた。
「あっ、お姉ちゃん、そのコーラ。やっばり、それ、卒業コーラじゃないの!?」
卒業コーラとは、コーラのラベルに卒業写真を載せること。ラビー王女が高校を卒業する前に、クラスみんな応募してあたった懸賞。クラス人数分のコーラを学校に送ってくれる、卒業限定懸賞。
卒業の時、クラスみんなで飲んだ。しかし、ラビー王女はお腹の調子が悪く、保健室で寝ていて、飲んでいなかった。クラスのみんなは、飲み終わったコーラのラベルをはがし、記念に取っている。
ラビー王女は、瞬間移動で酔わなくなったら飲むつもりだった、瞬間移動訓練の卒業記念に。
「ラビー、ごめんなさい。私、知らなかった。すぐ返してくるね」
「それ、お姉ちゃん飲んでいいよ」
「えっ!? 何言ってるの!? こんな大事な物を戴く訳にはいかない」
「あげるのは中身だけ、ラベルは返してね。それ、お姉ちゃんに飲んでもらいたいの、だって瞬間移動の卒業でしょう!? 私、まだまだだから、それに、賞味期限切れたらもったいないし」
「それもそうだよね」
「何よ、それ!?」
「ごめんごめん、じゃ乾杯ね、私の卒業に」
「私、本当は気にしてるんだからね。なんか先越されちゃった感じ、でも、あの技は、私が1番に極めて見せるから」
「じゃ競争ね、私だって負けないからね」
2人は、コーラで乾杯。今まさにアリスにとっては、青春真っただ中、そんな感じにも見えていた。青春の日々は、常に研究だった、どこかあこがれもあったのか。
ラビー王女は、張り合う相手ができ、嬉しそう。学校ではいつも、何をやっても1番だった。この2人、本当の姉妹にも見えるが、2人はいいライバル、そう言った方がいいかもしれない。
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