アリスおばあちゃんの新たな夢(3)

 アリスおばあちゃんのご主人が亡くなった数日後。アリスおばあちゃんの娘が、アリスおばあちゃんに健康診断を受けてみてはと申し出た。

 すると、嫌だと断った。健康診断を受け、入院することになったら研究ができなくなると思い。自分の体は自分が良く知っている、だから大丈夫と言い。娘は、大丈夫なら健康診断を受けて、それを証明して見せてよと言い返すと。科学者らしかならぬ答えが返ってきた。私が大丈夫だと言う発言が証明だと。こうなると、親を信用できないのかってことになり、娘は何も言えなかった。


 アリスおばあちゃんの娘は、このことを親戚以上付き合いのスザンヌに相談をすると。本当はどこか悪いのでは、それを隠すために嫌だと駄々をこねていると答え。

 スザンヌならなんとかなるかも、アリスおばあちゃんの娘は、そう思い託し。その結果、今は何を言っても無駄だ。ここだけは譲れない領域のようだから、こうなると頑固だから、とスザンヌに言われ。もし、入院をしたら研究ができなくなる、それだけは絶対に嫌、それを取り上げないでとも言われ。

 確かに、生きがいを取られたら。見守るしかないと思う、アリスおばあちゃんの娘。


 この後、健康診断のことは話さなくなり。3年が経ち。スザンヌは健康診断を受けていたことで、ガンの早期発見で2週間入院したが、無事完治。スザンヌはアリスおばあちゃんに、入院していたことを話さなかった。


 その訳は、心配かけたくなかった。健康診断がいかに大切か身をもってわかった。アリスにも健康診断を受けて欲しい、親友だから。しかし、入院を目の当たりにすると、なおさら入院したくないと殻に閉じこもると、そう思い言えなかった。その数日後に、あの3要素に出会い。その時、アリスおばあちゃんの顔が浮かび。もし、本当に若返ることが証明できたなら、健康診断を受けるに違いないと思った。


 1年後、若返ることに成功。そして、友達にも教え、成果は見ての通り。但し、この3要素を実行するには、健康診断を受けないとプログラムが組めない。即ち、若返ることはできない。

 スザンヌは、アリスおばあちゃんに若返る気があるのか聞いた。健康診断を受けるのか、受けないのか。

 すると、受けると返事し。スザンヌは喜び、スザンヌの想いが通じた。これでアリスおばあちゃんたちも喜ぶ。


 アリスおばあちゃんは、若返るということを目の当たりにして心を動かされた。しかし、スザンヌにここまで心配をかけていたとは知らなかった、本当に申し訳ない。大親友にこれ以上心配をかけるわけにはいかない、と思った。

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