桜が散るとき

闇野ゆかい

第1話

「茅(かや)姉、コンビニ行くけど、一緒に行かない」

扉をノックせず、弟が顔だけ出して誘ってくる。

「行くーリョウってば、ノックしてよね」

「そんなことより早く行こうぜ茅姉」

扉を閉める直前に

「服着替えるから待ってて」

部屋着を脱ぎ捨てラフな格好に着替える。

財布だけをポケットにいれて玄関で待つリョウに声をかける。

「ごめんごめん、待たせちゃって」

「良いよ」

外に出て、歩いて5分のコンビニに向かう。


「いらっしゃいませ」

店員の元気な声がする。

私は漫画コーナーで漫画を読む。

リョウはお菓子を物色中だ。

10分後。

リョウが来て、

「何か買うの」

「飲み物とポテチだけかな。リョウってば、誰か人でも呼んでパーティーでもするの」

カゴにはポテチがいくつも入っていてオレンジジュースなんかもたくさんだ。

「パーティーなんてしないよ。先に会計済ませるから」

リョウはレジに並ぶ。

私もすぐにリョウの後に並んだ。

会計を済ませて、コンビニを出て家に帰る。

家に帰ってきたらリョウが、

「クッキー作るけど食べる」

「食べる食べる。美味しいよね、リョウのお菓子」

「普通は茅姉が作るんだけど」

呆れているリョウ。


「出来たぞ。茅姉」

部屋をノックせず入ってくるリョウ。

皿に盛っているクッキーを一枚手に取り口に入れる。

「美味しい。リョウ、もっとちょうだい」

「これ全部茅姉のだから」

「ありがとう」

部屋から出ていくリョウ。

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