閑話:一方その頃、琥珀 ~琥珀視点~

 ナツと未仔ちゃんとやらの後を追いかけてしまう。

 2人の関係をもう疑ってはいない。けど、ウチ自身の頭が付いて行けていない。


 やって、ナツの『可愛い彼女作って自慢してやる』宣言から、翌朝の出来事やもん。しかもピンポイントにおっぱいデカい子やし。そんなん、ウチの胸に対抗して探してきたって思うやん普通。


 階段を上がり切り、角を曲がろうとするが、踊り場で立ち止まってしまう。

 ナツと未仔ちゃんの足音が止まっていたから。


 踊り場からこっそり顔を覗けば、未仔ちゃんが落ち込んでいる?

 どうやらウチらの教室で大声出して怒ってしまったこと、ウチにまくし立てたことを反省しているらしい。


 アホやなぁ。そんなん気にする必要なんてないのに。

 てか、謝るのって完全にウチら側やん。

 う~ん……。一番疑ってたウチが代表して、今から顔出して謝罪したほうが良い感じやろか……?

 紛らわしいタイミングで付き合い始めたナツには死んでも謝らんけども。


 よっしゃ、と気合いを注入して足を踏み出そうとする。

 けど、またしても急ブレーキをかけてしまう。

 何故なら、


「ごめんね、心配かけちゃって。けど、何も心配いらないよ」


 ナツが頼もしいセリフを未仔ちゃんに言い聞かせていたから。


「クラスの皆は、俺のことが嫌いで疑ってたわけじゃないからさ。俺に可愛い彼女ができたことにビックリしすぎただけだよ。だから、あんなことで不快に思う奴なんていないし、特に琥珀――、えっと、あの関西弁の奴は、特に気にしなくて大丈夫」


 夏彦は続ける。


「アイツは男勝りでガサツな奴だけど、一番俺のことを分かってくれてる友達だし。分かり過ぎて一番混乱してるんだよ」


 全て見透かされているようで、思わず照れだってする。


「……さすがナツ。よう分かっとるやん」


 ウチがワンパターンな奴みたいで少々腹立だしいけど、それ以上に嬉しい気持ちが勝ってしまう。

 ほんま、アイツは『ド』が付くほどのお人好し、ド人好しやと思う。

 あれだけウチらに疑われていたのに、ウチらのカバーまでしてくれるのだから。


「俺が頑張っていくよ。誰もが未仔ちゃんとお似合いの彼氏だって思われるように」


「モブキャラが何言ってねん」と思わず小声でツッコんでしまうが、応援したい気持ちは強い。

 ナツは親友であり、恩人でもあるから。人嫌いになっていたウチに手を差しのべ続けてくれた唯一の存在だから。


 それに、友としても素直に嬉しかった。

 ナツは周囲に気を遣ったり遠慮するクセがある。自分を第一に考えない傾向にある。

 そんなナツが、変わる努力をすると言っている。変わりたいと言っている。


 友としては、昨日今日できた彼女に、ひっくり返された感じが複雑な気持ちではあるんやけど。

 複雑な気持ちが吹き飛ぶ。未仔ちゃんがナツを力いっぱい抱き締め始めたから。


「ありゃりゃ~。やっぱ、あの子は見かけによらず大胆な子なんやなぁ~」


 茶化しに行くのもアリっちゃアリやけど、あの子に悪いことしたのもあるし、ここは大人しくしておこう。


「さて……。ウチは教室戻ろっと」


 ナツが紛らわしかったとはいえ、火を付けてしまったのはウチなんやから。クラスの火消し作業はしっかりせな。


 面と向かって『おめでとう』とかは、恥ずいからよう言わん。

 せやから、『末永くお幸せに』くらいは、人知れず願ってやろうと思う。







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悪友の友情。

閑話ながら、必要不可欠な話。




-報告①-

前話のタイトル案募集で、結構なフレンズが色々提案してくれて超助かってます。

本当にありがとね(☝ ՞ਊ ՞)☝

そのまんま使うか、ちょいとアレンジするかは分からんけど、決まり次第発表しまっす。



-報告②-

「Twitterのアカウント教えて」との声を昨日チラホラ。

僕のプロフ欄左側の、『nagikichannel』をクリックするか、『凪木エコ』って調べたら出てくるはず。



-報告③-

最近、おっぱいフレンズから、「貧乳が好きです」「微乳が好きです」「大きさより形重視です」などとメッセージをいただきます。

乳について熱く語ってくる、意欲的な変態が増えてきて僕は嬉しいです。



「こんなおっぱいが好き!」と熱く語れるフレンズは、ブックマーク&評価の程よろしくどーぞ。ʅ(◔౪◔ ) ʃ

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