神様のお仕事
お魚君
第1話
はぁ、またなんでこんな物を創ってしまったのだろう。
ため息をついたのは、そう、神様である。
遥か昔、神様はとある星を創った。
だが、その星の維持はとても大変で、神様の活動に支障をきたしていた。
面倒臭いと思ったが、神とはいえ、創った物の管理は創った者がしなくてはいけない。
そこでその星を管理をしてくれる者たちを創る事にした。人間である。
ここまで来れば、とある星とは地球であると分かっただろう。
地球の管理の代理人である人間を創り、上手くいったと判断して神様は別の事に取り組んだ…が、ここで問題が起きていた。
管理の為にと中途半端に知能を与えていたため、神様が目を離していた(神様の感覚)間に人間の数が莫大に増え、管理するはずの地球を汚染し破壊し、更に安定させた別の星にまで手を出そうとしている。
これはまずいと神様は人間を滅ぼすことを決めた。
だが、神様は創る事は出来ても、創った物を創る時と同じように消す事は出来ない。創り出すのにも時間がかかる。神様は何かを創り出す事しか出来ないのだ。
最初、神様は非力な人間を消すのなら、とてつもなく強い個体を出せば終わると考え、破壊の権化のような生物を出した。
しかし、人間は打ち勝ってしまった。
最恐の生物という人類共通の敵を出してしまった事で、普段は争う人間同士で手を取り、凄まじい技術の発展を起こしたのだ。
その後はまぁ見事な繁殖力ですぐに人口がみるみる戻っていった。
神様は次に凶悪な殺人ウイルスを創り出した。
ウイルスは猛威を振るって人類を滅亡せしめんとしたが、後少しのところで抗体を開発して、絶滅を免れてしまった。
その後は1回目と同じように人口が戻っていった。
神様は焦った。こうも人間を絶滅させる事が出来ないのかと。
どうしたものかと、神様があれこれ考えていると、地球とか人間とかがどうでも良くなるようなレベルの問題が別の場所で発生した。
神様は人間の事などそっちのけで、作業に入った。
それから暫く時が経った。
神様はようやくそちらの作業を終えた。
そしていざ人間を滅ぼさんと地球を見ると、
既に人類は滅びていた。
神様のお仕事 お魚君 @osakanakun
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