人を呪わば穴二つってさ・・・。
タイトルの言葉聞いたことあると思いますが、一応まだ遭遇していない方のためにざっくりと。
人を呪うと相手と自分の墓を掘ることになる。つまり、呪われた者だけじゃなく呪った者も死んじゃう。だから人を呪うのは止めようねってやつです。
呪って人が殺せるものか!
非科学的だ!
・・・・・・と突っ込みを入れたくなる人もいるでしょうね。
人を戒める為の言葉だから科学とかはちょっと置いておこう。
どう思います?
人を呪うと自分も死んじゃうと思いますか?
影響ないと思いますか?
死ぬ・・・・・・まではいかなくても呪う心が自分にも被ってくるってありそうだなと、私は少々前から思っています。いえいえ、効力のある呪文を見つけたとかそういう力のある先生と出くわしたとか言う話ではありませんよ。
実はですね。
脳って主語を重要視してないようなんですよ、皆さん。脳は主語を理解していない。
人の顔を記憶に残すときに脳はパーツ事に分けて収めてるそうです。
目の置き場、鼻の置き場、眉毛、口、等々バラバラの場所に置いてるそうです。イメージとしては目がいっぱい入ってる箱や鼻で埋め尽くされた箱がある感じでしょうか。そして、思い出すときにそこから取り出して組み合わせて「はいはい、この顔の人ね」ってやっているという。
ちゃんと正しい組み合わせのパーツを取り出せるって、ある意味凄い能力ですね。
それと同じように文章も単語ごとに収められているそうです。
「猫って可愛くて好き」
「花は綺麗で好き」
という文章は【猫、可愛い、好き】【花、綺麗、好き】。同じように人に投げた悪い言葉も分けられて脳に収められる。
「あいつムカつく、死ね」
自分がそう思った時、自分でその言葉を口にした時、誰かが言ったのを聞いた時。「あいつ」「ムカつく」「死」が脳の中に収まる。
「丸子って馬鹿だ」
という文章も、丸子と馬鹿を別々にしちゃうのですね。もちろん、顔と同じように置き場所から取り出して文章を戻せば「丸子って馬鹿だ」になります。
しかし、記憶倉庫の中にあるときには単語が単体で存在している。
「誰が」は関係なく頭の中に「馬鹿」が存在し「死」が存在する。
馬鹿って言葉だけを聞いたらどんな気持ちになるだろう。愛情を込めた馬鹿もあるでしょうが、ただ単体で存在する「馬鹿」という単語はあまりいい気持ちのする言葉ではないですよね。
相手との関係や会話したときの言葉のリレーから出てきた「馬鹿だなぁ」という軽い言葉、その場の皆で笑った悪い意味で使ったわけではない単語。それでも脳の中に収まれば単体の「馬鹿」として保存される。
使ったときの状況や感情、誰に向けて言ったかとは切り離された単語が置かれる。
単語には意味があって意味にはイメージが存在する。漠然とした明暗のイメージがふんわりと心を包むようにそこにある。
よく見聞きする単語や自分がよく使う単語はどんどん溜まっていくとどうなるだろう。その単語の持つイメージや気配が強くなっていくような気がする。
暗くイメージの悪い言葉ばかりを使っているとその単語が色濃く大きく存在していく。明るいイメージの良い言葉をあまり使わないとその言葉は影が薄く小さい。
暗いイメージの単語に囲まれていたらどんな気持ちになるだろう?
私だったら・・・・・・気分がすっきりしなくて何だか苛々してくると思う。トゲトゲした気分でむしゃくしゃしてばかりいる自分が想像できる。
一時期、脳内文字だったかな・・・流行ってましたよね。横向きの頭部の中に文字がいっぱい書かれてるやつ。
人を誹謗中傷したり悪口や意地悪な言葉をよく使っていたり、そういう言葉を聞いたり見たりする事が多かったら・・・と想像してみると笑えない。
自分の頭の中に嫌な単語が沢山書かれてる。黒々とした太い文字で埋め尽くされてるって想像したら怖いなーーって思うわけです。
だんだん心が塞いでネガティブになっていくと免疫力も下がってきそうです。
印象の悪い言葉は知らず知らず自分の心にストレスを与えるように思います。ストレスがかかるだけで血液がドロドロになるって聞くし、心も病みます。そう考えたら【人を呪わば穴二つ】はあながち的外れでもないんじゃないかと思えてくる。
脳は主語を理解できない。
他人に言った言葉も誰かに言われた言葉も関係なく私の頭の中にその単語が蓄積されていく。自分が発した言葉だと少なくとも3回脳に蓄積される。
文字に書く。
1.書くときにはまず先に頭で考える。
2.文字にする。
3.目で文字を見ている。
そのつど単語が脳に入る。
言葉にする。
1.言葉を思い浮かべる。
2.声にして出す。
3.自分の発した声を聞く。
どうでしょう。
自発の言葉を3回脳に収めるとしたら、あなたは明るく楽しい言葉を使いたいですか? 暗くトゲトゲした言葉を使いたいですか?
世の中は暗いイメージの単語に溢れてる。
もちろん明るいイメージの言葉も沢山ある。
自分が黙ってても何処かの誰かが言った言葉や書いた文章で溢れてる。
せめて、自発の言葉だけでも明るい言葉を使っていこうと私は思う。
誰かを責めるより誰かに優しい言葉を多くかけようと思う。だって、脳は主語が分からないんだもの。女優さんを見て綺麗だなって言っても素敵な服って言っても、脳は勝手に主語と切り離して「綺麗」と「素敵」が置かれる。
ふんわりとした単語のイメージがそこにあって、何となく自分が言われたような明るい気分のベールが心を包み込む。
嫌な気分の時よりも寛大で優しい自分になれると思う。些細なことでは苛々せずにいられて苛々しないと自分がいい人のように思えてくるし、良い一日だったように感じる。
最初は自分のためで良い。
自分が気持ちよく過ごすために良い言葉を選んで声をかける。
つい敵対心が湧いてきて他人を誉めたりするのは嫌だとか、他人にへつらってるみたいで嫌だ、ついあら探ししちゃうから私には合わない・・・・・・って人もいるかもしれない。
だったら無理しなくていい、人じゃない物に向かって言ってみよう。
「晴れてて気持ちいい、青空大好き」
「小鳥のさえずり心地良い、有り難う」
「猫ちゃん可愛くて癒されるよー! 有り難う」
何でも良い。
毎日使ってるスマートフォンに労いの言葉をかけて、お気に入りのネイルを塗って綺麗な色だなぁってつぶやくだけでも良い。
自分の脳に明るい言葉のシャワーを。
脳は主語なんて分からないから、自分を責める癖のある人は他人を率先して誉めよう。直接言わなくても良いよ、ノートに書くんでも良いから。
誰かを呪って墓穴を掘ってる場合じゃない。
穴を掘る代わりに幸せの種を蒔こう、そう思うのです。
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