the brilliant green-冷たい花

「I`m feeling my self again

 I`m feeling better now

 大切に壊したい oh

 I`m feeling my self again

 I`m feeling better yeah

 冷たい花を蹴り散らすように」


邦楽です。


ブリグリ、好きです。爆発的にヒットした数曲もいいですが、そのほかの曲も良い雰囲気です。特に、ファーストアルバムの二曲目に収録されている「冷たい花」は、私の琴線に触れてやみません。

曲調はもろにUKロック(さらにいえばOasis)からの影響を感じますが、それがいい湿り気を醸し出しています。邦楽でUKロックの湿り気やなんとも表現しがたい少々陰鬱な雰囲気を、上手く纏め上げたバンドは意外と稀有な存在のように感じます。ボーカルの、低音を基調とした歌声、そして全体にわたって気だるげに歌われるこの歌は、アンニュイという表現がしっくりくる曲です。

希望が絶望に変わり、それでも先へと進んでいく。…花が『冷たい花』に変わってしまっても、それを大切に蹴り散らして。美しい歌詞です。明るさに固執せず、だからといって悲しみに埋没することもなく、気だるくも再出発の意志を帯びたこの曲(個人の解釈ですが)は、無理に先へ進めと明るく叫ぶ曲よりも、私の心に寄り添ってくれます。

どうぞ、少し疲れたなあと感じたときにでも、聴いていただけたらと思います。きっとその心の傷口に、この曲は優しく染み入ることでしょう。この曲はあなたに、決して無理を強いません。元気を出せ、前を向け、などと、背中を直接的に押すことはありません。ただ、気だるいままに寄り添って、癒しながらも、まだあなたは歩けると優しく語りかけてくれます。

言うまでもありませんが、ブリグリは『そのスピードで』や『長いため息のように』といった有名曲も大変いい曲です。男性の方はアルバム内の曲名(かなりファンシーなものもあります)にちょっと引くかもしれませんが、それらも曲名ほどぶっ飛んだファンシーソングではないので、是非ファーストかセカンドアルバムあたりをちょろっと聴いていただけたらなあと思います。


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