深海魚

ニュアンス

深海魚

寂しいなぁ、絡まれたいなぁ

わあわあとの訴えと泣き声

幼稚かもしれないのに、

やっぱ言いたく、

甘えられたい人なんだよ。


上っ面に見える真顔が

真剣な輪郭をしているのに

心がこどもなんて。

厳しそうな性格を

言葉で見せびらかしているのに、

本心が子供のようだ。


詩を以て、真っ赤な真顔を見せ

建前なんて謙遜なんて捨てて

誰にでもいる子供らしい自分の

そんな一面に触れたい。


その子供らしい自分が魂の

奥深い人に見せない所に隠され、

世間と遊べないのは

僕は分かっている。


そいつがいると恥ずかしいのも、

そいつを殺そうとする人のことも

僕は分かっている。


そうなのさ。


裸のように思って恥ってものを

晒されると死ぬって

僕にも思っちゃうのさ。

思うのさ。

思った…のさ。

思って…いたんだ。


だが

この一瞬だけでいい

違うんだ。

違うと思いたいんだ。


そんな無防備でわあわあと泣く

泣き虫のような自分、

僕の、僕みたいな人の

奥深いあの子供らしい魂の一部と

僕は絡み合いたい。


君に抱っこされてもいいよ

僕が抱っこしてもいいよ

無防備で、一瞬だけでもいいよ、

そんな友になろう。


だってその深海魚の心には

世間に反する方向へと

常に行ってしまう。

自ら逆らってしまう。


文字を紡ぎ、魂を注ぎ込む。

その無防備に泳ぐ心の奥の

深海魚によ。

詩にも、作品にも、

どんな芸でもええ、

その中に

自我にそんな無防備な自分を。


だって

自分の弱いところを晒すのは

弱点でなく、

心の強さなんだ。

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深海魚 ニュアンス @Nyuance

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