PART4 青と赤の錯綜

ここまでの物語と登場人物

 レオンとリオーネは故郷を離れ、山麓の都市エベネの修道院、ウォルべハーゲンに到着した。聖典と歴史書から黒い獣の謎を探ろうとする二人であったが、すぐには有益な情報に辿り着けない。さらにそこで、再び黒い獣に襲われる。レオンは苛烈な戦いの末、ついに獣を斃したが、その最期は青い炎に包まれて燃え尽きるという、かつて見たことのないものであった。父から託された剣、そして妹の謎はさらに深まってしまう。


 一方、修道院は瓦解。孤児ルカは敬愛する司教を亡くし、声も失った絶望を晴らすため、レオンらへの復讐の旅に出る。


 赤の国は充分な兵を占領した港町ポルトから引き入れ、青の国への猛烈な進撃を開始する。赤の将軍グラウの率いる精強極まりない部隊が、あらゆる城と街を蹂躙じゅうりんしていく。深い森の城、マルバルクを守護する青竜軍アルメの隊長スヴェンも善戦するが、最後は敵の策にはまり、城も陥落してしまう。


 さらに国境の“青の壁ブラウ・ヴァント”も赤の国からの猛攻を受けていた。大隊長オフィツィアギルベルトとレーヴェンは、敵の数万の攻囲を打ち破る機を伺う。


 都では指揮官コマンダントファルクの命を受け、大隊長ドロゼルが軍と教会の内情を探っていた。青竜教会の司祭シュローヴを糸口として都の闇に潜む謎に迫るドロゼルであったが、正体不明の敵から襲撃を受ける。


 司祭シュローヴも教会の不穏に気付き、内部から探りを入れる。そのシュローヴに枢機卿カルディナルハーマンが明かしたのは、都の地下に封ぜられた伝説の“獣の王”の存在と、“死の風”を鎮めていた竜の子リンクスの失踪であった。


 国土では戦が激しさを増す中、銀の髪と青の瞳を持つ竜の子リンクスを巡って、黒い獣たちと教会の手の者たちが動き始める。









登場人物

レオン・ムート …… ムート領領主

リオーネ・ムート …… レオンの義妹

スヴェン・ベンゲル …… 元マルバルク軍小隊長。通称“猛牛”


ファルク・メルケル …… “青の壁ブラウ・ヴァント”指揮官

ギルベルト・ベルガー …… ファルクの副官。騎馬隊大隊長。元傭兵

ルッツ・ヒルシュ …… 同大隊長

バルドゥール・フント …… 同大隊長

エルゼン・ツェーラー …… 攻城部隊隊長

ドロゼル・ナハト …… 特殊部隊隊長

ヤン・クラー …… 特殊部隊副隊長

レーヴェン・ムート …… 義勇軍隊長。通称“雪の獅子”


ベイル・グロース …… ハイデル軍指揮官。通称“大熊”

アルサス・シュヴァルツ …… ベイルの副官。通称“嚆矢”

ドミニク …… ハイデル軍軍医


ファナティカ …… ウォルべハーゲンの司教。獣に殺害される

ルカ …… ウォルべハーゲンの元修道士

シュローヴ …… 都の司祭

ハーマン …… 都の司教。枢機卿


グラウ・ティグリス …… 赤竜軍将軍

ベルキウス・ガルバ …… 赤竜軍将軍

リューゲン・ヴァイプ …… 元青竜軍


ハンス・ヴルスト …… ポルト軍指揮官。“青の壁ブラウ・ヴァント”にて暗殺される

ラルフ・イェーガー …… ハンスの副官。ポルトにて戦死

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る