第5話 なんかゴツい鎧のお兄さんを見つけた。

 やけに騒がしく鳴いているエルに起こされて、俺は目を擦り外に出る。エルが外を向いて鳴くものだから、そちらに何かいることだけはわかったのだ。

 ただ、早朝は寒く、パジャマだけで家を出たことを後悔した。一応カーディガンも羽織っていいるんだけど。俺は早朝の明るい光を浴びながら、騒がしい森の入り口にたどり着いた。

 そこにはたくさんのカラスが群れていたが、俺が現れるとバサバサと羽音をたてて逃げていった。


「人が、倒れてる?」


 人が倒れていた。端から見れば、鎧が1セット転がっているように見えるが。俺はその人のそばに座り込む。お家につれてってもいいかな?

 意識ないし、怪我もしてるっぽいから連れて帰った方がいいよなぁ。俺はその人を抱えた。無理だ。重い。

 鎧はずしちゃダメかな?

 しかし、申し訳なさすぎて外せそうにない。

 

「仕方ないよね。持って帰ろ」


 俺はもと来た道を戻った。

 人間を食べる気はないけど、怪我の手当てくらいはしてあげられるよな。

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