つっこんでいいですか?
漫才みたいに、誰かの言葉に「それって○○でしょ!」って、言いたくなる時ってありませんか?
「フィリピンにいる妻から、書類を送ってくれって言われましてね。フィリピンのユーエフオーに提出するらしいんですよ」
UFO!?(@_@;)
私は頭の後ろから右手をチョコンと出したい衝動に駆られながらも、受話器を握り、黙って日本人男性の話を聞いていました。
奥様は魔女、じゃなくて宇宙人、なんですか?
日本人男性は自分の間違いに気付いたらしく、笑いながら訂正しました。
「フィリピンのシーエフオーに出すみたいなんですよ」
書類の提出先は、フィリピンのNSO(国家統計局)と言いたかったのでは…
でも、今は、PSA(フィリピン統計局)と、呼び名が変わっているんですよm(__)m
「あー、いますねー。自分で何を言ってるのかわからなくなっちゃう人って」
先輩が笑いながら、こんな話をしてくれました。
「兄と名乗る男性(日本人)から電話があったんですよ。『オレは結婚して子どももいるけど、弟は障害があるからサ、天涯孤独なワケよ』。アンタがいるだろって、言ってやりたかったですよ」
窓口に来た日本人男性。
私の姿を見ると、男性は、はにかみながら婚姻届の記載事項証明書を私に見せつけました。
「結婚したんです」
私は、フィリピン人妻がいないことに気がつきました。
「そうですか。あの、奥様は?」
すると、男性は、後ろを数回振り、真顔でこう答えました。
「フィリピンです」
なぜ、後ろを振り返った?
そう言いたい衝動を抑えながら、私は質問を続けました。
「どうして、こちらに婚姻届を持ってですか?来られたんですか?」
「どうしてって?役所に言われて」
役所?
私は思わず、男性の顔を覗き込みました。
役所が、この相談センターを指定するはずがないからです。
「役所に、ここで何をするように言われましたか?」
男性がイライラしはじめたので、私は、ゆっくりとした口調で男性に聞きました。
「わかりません」
なぜ、ここに来た?
男性の答えに、私は怒りの衝動をグッと抑えました。
「ビザはっ!彼女のビサは、大丈夫って、ことですよね!」
男性は突然、切羽詰まった表情で私に聞きました。
「あの・・・。こちらではビザを出しておりませんが」
男性は、口を大きく開けて私を見ました。
「だって、役所が…」
「フィリピンにいらっしゃる奥様が日本に来るためにビザを申請するのは、フィリピンにある日本大使館です。お客様が奥様のビザについて相談されたいのであれば、お近くの出入国在留管理局でご相談下さい」
男性は、虚ろな目で私を見ると、何も言わずに窓口を去りました。
後から守衛に聞いたのですが、この男性は、相談センターを出入国在留管理局だと思い込んでいたそうです。
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