確認しましょう

 日本人男性が私に怒鳴りました。

「申請は、3時までじゃないのかっ!」

 申請を受け付けてもらえなかったことにご立腹の様子。

 一方的に悪者扱いされ、罵られました。私が何をしたというのでしょう?


 私は、普段、相談センターというカスタマーサービスと総合案内所が一緒になった部署で働いています。窓口での苦情対応も、私の仕事です。


 申請時間に遅れたのは、公共の乗り物の事故や遅延ではなく、男性側の都合なんです。

「こっちは、時間に間に合うように来たんだ。それを、受付時間過ぎたから、受付できませんって、あんまりじゃないか!受付の時間前に来たんだから、受付しろっ!ちゃんと仕事しろよっ!こういうの、職務怠慢っていうんだよ!」

 私は耐えられなくなりました。意を決して男性に言いました。


「今、4時ですから!」


 その場にいたのは、その男性とフィリピン人妻、ベビーカーに乗った幼児の3人と私。

 きょとんとする夫婦。慌てて時計を確認した私。

「今、4時15分です」

 私は、正確な時刻を2人に告げました。

「5時まででしょ?」

 フィリピン人妻が目をつり上げて、私に言いました。が、私の側にあった受付時間案内を見て

「あ、受付時間、終わったのね」

と、小さな声でつぶやきました。

「申請時間は、午後2時までです」

 私は冷たく言い放ち、口を開けたままの男性から離れました。

 

 数分後。


「すみません…。もう一度、出てきてくれませんか?」

 男性が怯えたような声で私を呼びました。

「あの、今日は、この書類を出しに来たんですけど…」

 男性も女性も、神妙な顔で私の説明を聞き、深々と頭を下げて帰りました。

「大変、申し訳ございませんでした。次は、必ず、2時までに来ます」


 私、そんなに怖かったですか~?(ノ゜O゜)ノ


 時間、確認しましょう♪


 ちなみに。

 「パスポートの有効期限に書いてあるジェーエーエヌって、6月だよね?」

と電話をかけてきた日本人男性を、不安という谷へ突き落としたのは私です。

私「ジェーユーエヌは6月ですが、ジェーエーエヌは1月です」

男「1月?・・・フィリピンへ行くのは1月・・・あっ!オレ、フィリピン行けますか?」

 


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