物語の主人公、僕。
自分でも認めてしまうほどの、普通。
その僕が、現実世界で恋をした。しかし、普通の僕に、恋を進展させるほどの優れたスキルなどあるはずもなく……。
物語のヒロイン、私。
本が友だち……みたいな、内気な女の子。
その私が、仮想世界で恋をした。しかし、図書館に篭る私が、好きと伝えられる度胸などあるはずもなく……。
ふたりの、ずれた恋のベクトルは、交わることなく、寄り添うこともなく、ただ時間だけが過ぎていきます。その、互いを好きな想いは同じはずなのに……。
ふたりが、お互いを知っていく過程に、ドキドキします。
その想いが、微妙にずれているところが甘酸っぱく、せつなくもあります。
ふたりの淡い恋ごころは、無事、確かめ合えるのか……。どちらに辿りつくのか……。
この物語の素敵な結末は、どうか、あなたご自身の目で、確かめてほしいです。