第2話 心の薬
まず、真っ先に出会いたかのが、ほぼ寝たきりの同級生・和也と会う。和也の住むアパートは比較的大きな街に住んでおり、正雄の家からは車で2時間ほどかかった。正雄の年代・60歳ともなると両親とも亡くなっていることは、そんなに珍しいことではないし、すでに小学校の同級生は4人亡くなっている。
正雄と和也は小・中・高と同じ学校に通った中で、性格が似ていないのに妙に馬が合った。
和也は週のうち3回病院通いで、両親がなくなった今、天涯孤独となっていた。田舎にあるお墓は、将来見守る人がいないので永代供養にするとか、好きなプロ野球の話や映画の話をしてあっという間に時間が過ぎた。とりとめもない話が多かったが学生時代の昔話にも華が咲き心がほっこりして、深夜自宅に帰宅した。
帰宅すると、退職金で買った約6万円の液晶タブレットが届いていた。さっそくパソコンに繋ぎインストールしてみる。こういうのは普段の仕事から慣れているので直ぐに出来た。パソコン画面と同じ画面がタブレットに出て戸惑った。そういえば、パソコンに絵を描く用のソフトウェア、ダウンロードしないといけないことに今気が付いた。無料の絵描き用のソフトウェアのダウンロードをしてみる。YOU TUBEを観て絵の描き方を習うが、60歳にもなると、うまく描けない。練習しないとうまく描けなさそうだ。努力は裏切らないという事かな。今日は、時間がかかりそうだと諦めた。
その後、たわいもないYOU TUBEを観てその日が終わった。
夢だった自由な自分の時間がたっぷりあるが、自分が想像した日常とのギャップにとまどった。
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