第7話 みんなでご飯



 場所 リリアント宅 時間 夕刻


 ナタ「さあ、出来たわよ。たんと召し上がれ」


 未利「……いただきます」


 なあ「ナターシャさんの料理おいしそうなの! でも食べる前に、なあ、いただきますしなきゃなの! いただきますなのー!」


 姫乃「いただきます」


 ルミナ「いただきまーす!」



 もぐもぐ



 未利「箸つけといてなんだけど、ほんとに良いワケ? あたしら二人の分まで、作ってもらって」


 姫乃「大丈夫だよ。ナターシャさん、たまには賑やかにご飯食べたいって言ってたし」


 ルミナ「そうよ、気にしなくてもいいわ。いつもと違うメン……、メンバーで食べてるのも楽しいものだもの」


 未利「(……今、メンツっていおうとしてたような……)」


 ルミナ「生意気な同僚をうちに呼んだって、目の保養になるわけじゃないしっ、ね」



 ざくっざくっ。あむあむ……。



 未利「(箸に気合が入ってる……)」


 姫乃「ルミナ、嫌な事でもあったの?」


 なあ「美味しいごはんを、美味しいって思いながら食べれば、もやもやしたの飛んでくの、ってなあ思うの……。だから美味しく食べるの。あむあむ」 


 ルミナ「嫌な事はあったけど、でもなあちゃんの言うとおりね。せっかく美味しいごはんが目の前にあるんだから、美味しくいただいて幸せになってあげなきゃ」



 もぐもぐ



 なあ「ごはんの力は偉大なの! って、未利ちゃまが言ってたの」


未利「あたし? そんな事言ったっけ」


 なあ「前に雪菜先生がご飯作っったの、そしたら動いちゃったの! 大変だったけど皆で、もったいないといけないから食べたの! そしたら、皆きゅーばたんっ、なっちゃったの」


 未利「ああ、雪菜先生の手料理事件」


 姫乃「料理が……動く……」?」


 ルミナ「破壊的な料理の腕前の持ち主さんなのね」


 なあ「そのあと、未利ちゃまが内緒で学校に持ってきたお菓子食べてて……ふつうのご飯は偉大だなーって、なあ聞いたの! はっ、学校にお菓子持って来ちゃダメだったの、なあ、未利ちゃまを、めっしなきゃ、めっなの」


 未利「はいはい」


 ルミナ「うーん、やっぱりみんなと食べるご飯は、楽しくておいしいわね」


 姫乃「私は料理が動いちゃうような食卓よりは、静かで安らかな方がいいと思うけど……」


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