4・大ピンチ~?
「ああ大ピンチ~~」
そんな状況にも関わらず、ナツキはのんきな声を出す。
「ナツキ。どうにかしろ」
山男が声を荒立たせる。
「知るか。適当だ。適当にやれ」
「うーん。とうさんにはいざというときは30パーセントは大丈夫と言われているからねえ」
「ぐる゛じい」
締め上げられている
「とりあえず、そいつどうにかしろ」
「え~。山男どうにかしてよお」
「しているだろうが」
山男が言うように、さっきからリカちゃん人形を引き離そうと人形にかみついているがびくともしない。
「お人形さんごときで苦労するなんてえ。ダメダメだね。山男も~」
そののんびりした口調は癇に障る。
山男はナツキを睨みつけた。
「そんなに睨まなくてもいいよ。簡単に解いてあげる。そしたら、ツンツン、解放されたらすぐにボール投げてね」
そういうと同時にナツキは持っていたバッドを思いっきり、リカちゃん人形に振り下ろした。
リカちゃん人形にバッドが当たる寸前で山男がそれから離れる。バッドが当たつた箇所から、それにヒビが入っていき、一気に破裂するように粉々に割れる。
ようやく解放された弦音は愕然として座り込む。
「早くしろ」
すると、ナツキのどすの聞いたような声が響いた。その口調は、先ほどまでののんびりしたそれとは全く違っている。
「早くしねえとヤバイぞ」
弦音が見たナツキは、子供の姿ではなかった。一瞬なのだが、青年の姿に見えた。背は高く茶色の肌。頭には角。鋭い目をした青年。
“鬼”
弦音にそんな言葉が浮かんだ。
「弦音。早くしろ。思いっきり、あの触手に向かって投げろ」
「ハイ」
ナツキに促されて、手に中に出現したボールを力いっぱい朝矢を縛り付けている触手に投げつけた。
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