大蛇の巣


第六魔界の象徴〝巨大樹〟は地底から地上へ伸びています。


巨大樹に巣くう蛇こそ第六魔界の魔王です。


居場所を求めて第六魔界を訪れた兄妹に大蛇は告げます。


「好きにせよ」と。


住み着いた兄妹の兄は大蛇から頼み事を聞かされます。


大蛇の頼みは「翼を失った私に代わって魔の住民を救ってくれないか?」と言う内容です。




寛容な第六魔界は古き神が懐かしみ築いた魔の巣窟です。


人間に殺された神々が残した魔界は今、人間に壊されようとしています。


旧友の遺物が育んだモノは消え去ろうとしています。


古き神は望みます「それらを救えないか」と。


翼や足を失った古き神はその地から動けません。


代わりの足が必要でした。


長き時が経ち、待ち望んだ逸材が目の前に現れます。


幸運にも足は葉の逸材に留まりました。


古き神は欲する儘に逸材へ頼みます「私の足に成っては欲しい」と。


「魔界が壊れ、失われるモノを救いたい」古き神の願いに共感した逸材は頷きます。


「ならば上位者の力を教えよう」それは身を滅ぼしかねない力でした。


それでも古き神は新たな神と出会えた幸運を喜びます。


親から子へ、子から孫へ、宿し、受け継がれ、神の力が今、息づいている事を。




終わり

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