やまいは気から

無色不透明

その1

序章 気持ち悪い

 どうしてこうなった。こんなはずでは無かったのに。

 中学の頃は友達は程々にいた。いたといっても教室でたわいのない会話をするくらいだ。勉強も隣のやつに試験前になるとノートを貸してくれと依頼されるほどだったし体育の授業では偶数クラスだったのでハブられることも無かった。

 しかし期待と新たなるステップアップ、高みを目指し入学し高校生へとジョブチェンジした6月現在、俺に話しかけるクラスメイトは無。

 せいぜい前の奴がプリントを手渡すときぐらいか廊下で体がぶつかったときぐらいである。

 おかしい。こんなはずでは無かった。

 この物語はそんなスタートダッシュに失敗した高校1年生が○○ゼミで一学期のテストで大逆転!!などという宗教染みた漫画のような事は無く、世の中の非情さとイカレ具合をただ壁にぶつけ続ける俺の物語のはずだ。

 はじまりはじまり。

 

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