あの夏へ、君を迎えに。

北原よもぎ

プロローグ






 夏は嫌いだ。


 暑いし、汗はベタつくし、蝉は煩いし。おまけに頭痛が酷い。じりじり、焼けつくような日差しと鳴り止まない蝉の声が、直接脳細胞を攻撃して来るみたいに。頭が痛んで、めまいがする。


 プールではしゃぐ子供の声に混ざる、ランニングの掛け声。昨日の試合の結果を興奮気味に話す少年達の、声変わりしたての声。金属バットの芯が硬球を捉える音。入道雲に消えてゆく白球。……ああ、頭痛が酷い。


 私は、夏が嫌いだ。





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