僕って最弱?それとも最強?

パーカーさん

 第一話 俺は最弱

 2050年、現代の科学が発展し高校生を中心にある薬で実験をした。それは人間に異能を持たせるという政府公認の大実験だった。

 結果は成功。この年から高校生には異能の薬を投与される事となり、今では異能で全ての勝負事を決するようになった。

 異能の大会や、成績までもが異能で決まっていた。

 最初は反対する者もいた様だが、今では異能の偉大さに気づき、頼っている。


パタンッ

そうやって、資料を閉じて元の場所に戻し、俺、都立第一異能高校2年 海武 嶺は資料室から出た。

 俺の異能は武士の異能、その名の通り刀を用いて戦う。ランキングは最下位。そして、異能力だが、ただの 身体能力の向上 という異能力のせいで今では、「カス武士」や「ゴミ嶺」などというあだ名まで付けられた。でも正直、俺はこの異能力を気に入っているので、別に何と呼ばれようが構わない。


「お!おーい!嶺く〜ん」


この声の持ち主は、俺の幼なじみの

真風 鈴だ。異能は操風の異能、名前の通り風を操る事が出来る。ランキングは1位、俺の真逆だが、俺をいじめてこない優しい女だ。


「ん?どうした?」

「一緒に寮まで行こう?」

「良いよ、別に気を使わなくても…」

「そんな事ないよ?私が、嶺と一緒に帰りたいから誘っただけだから」

「そーか、なら一緒に帰るか」

そう言い、一緒に寮までの道を歩くことにした。

「嶺って中学まで剣道してたよね?」

「そうだな」

「ならさ、嶺の異能力と剣道で培ってきた力を組み合わせてみたら、強いんじゃないの?」

「いや無理だ、身体能力向上があって上手く剣道技と組み合わせられないから、ランキング最下位なんだよ…」

「なんかごめんね、別に悪気あった訳じゃないの」

「別にいいよ、あんま気にしてないし、鈴がそんな事言わないのは俺が一番知ってるからさ」

そう言ったら鈴が、頬を赤く染めながら

「ッ!そ、そっか、ならいいんだけど…」

「まー、そろそろ異能力を使いこなせる状況で試験に出ないと退学かもな…」

「えっ?それ本当?」

「お、おう」

「じゃ、じゃーさ、私達で特訓しよーよ、異能力の」

「え?良いのか?」

「うん!もちろん!」

「そ、そうか?ならよろしくお願いします!師匠!」

「うん!じゃ、明日朝6時に近くの山に集合ね!もちろん動きやすい格好で!」

「分かった!」

その後も、10分ある道のりを楽しく歩いた。

「じゃーね!嶺君、また明日」

「あぁ、じゃーな」

そう言って、二人とも男女別の寮に帰った。



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