腐教師
黒猫
プロローグ
「凍結」
そうつぶやいた瞬間魔王が氷漬けになった。
「今だ」
そう言って勇者と共に魔王へと距離を詰める
「凍剣」
「聖剣」
各々自らの剣を生成し魔王を切り裂く
確かな手ごたえを感じ振り返る。
そこには氷漬けから解け傷一つついていない魔王が居た
「フハハハハハ。効かぬわそんなぬるい攻撃など。本物の攻撃というものを見せてやろう」
「破断」
天が二つに割れ、その割れ目から禍々しいものが降ってこようとしていた。
『危険値が一定に達したため禁忌術式を自動使用いたします』
『
世界全体が一瞬にして凍り俺は氷の裂け目へと落ちていった。
「っ…」
目が覚めると見覚えのあるダンジョンに居た。
俺は確か魔王と戦っていたはずだが…?
情報を得るために地上へと向かった。
「初心者向けのはずだが…?」
目の前の光景が信じられなかった。
子供ですら15階層にまでこれていたのに、目の前の冒険者たちはガチガチに装備を固めてもなおモンスターに苦戦しているようだった。
冒険者の掟として基本戦っているモンスターを横から倒してはいけないという決まりがあるので俺は、冒険者たちの横を会釈をしながら通り抜けようとした。
「ちょっと待て、なんで困っている人がいるのにそのまま行けるんだ!?」
冒険者グループのリーダーらしい人物が話しかけてくる。
「だって、冒険者のルールとしてあるじゃないですか。他の人の戦いに横やりをいれてはいけないって」
「そんなルール知らんぞ、困っているものが居たら助け合う。これがルールだろ」
おかしい、そんなことをすれば後々面倒臭くなるだけだ…
時代が違うのか…?
考えられる可能性としてはこれしかない
俺の意識が消える前に、何かを発動させた記憶がある…
ただどんなものだったか思い出せない
「そうだったのか、それは申し訳なかった。それでは」
流れで立ち去ろうとしたが
「どこ行こうとしてんだよ、俺たちよりも強いんだろ?助けてくれよ」
と泣きつかれてしまった。
お前ら戦闘中になにしてんだよ…と呆れてしまったが、ひきずってでもついてきそうな勢いなので仕方なく倒すことにした。
「凍針」
小さな針を作り出しモンスターに刺した。
「おい、今のは凍結魔法…。ってことは裏切りの一族じゃねえか」
さっきまで泣きっ面をしていたリーダーが険しい顔をし始めた。
「裏切りの一族?」
いつ俺が裏切ったというのだ?
「魔王対戦のなか一人逃げ出した臆病ものがいた。
それが凍結士
こいつの話し方からすれば、大戦後から数年たっていることがわかる。
それよりも、裏切りの一族?俺は結婚もしていなければ兄弟がいるわけでもない。
一族というのが謎だ…
「俺のほかにもこれを使える奴が居るのか?」
「過去に居たにはいたが、迫害されて今はいない」
「そうか」
どっちの方面からも恨まれているんだろうな…
地上に出るのが嫌になってきた。
「それで、俺が凍結士だってことは口外するな」
「もししたら?」
「命はないだろうな」
凍剣を生成し軽く脅してみた。
「わ、分かった」
襲われていたパーティはそそくさと逃げて行ってしまった。
「凍結系統は駄目か…」
他にも使えることは使えるが本職には及ばない…
とりあえず地上へと向かった。
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