第1212話 今日の稽古も頑張りますか。的なお話
弁当を食べ終えて午後の稽古も終える。
指輪の力を使ってステータスを制限するかどうかを聞くのはもう少し後にしようかな。
まだコツを掴んだなんて到底言えないけど、それでも出来るだけ自分の力でなんとかしたい。
とりあえず日程が半分過ぎるまでは自分の力だけで頑張るつもり。
そして宿に帰るとみんなが出迎えてくれる。
「ねぇ、今日も来たんだよね?」
「帝の事か?」
「うん。何か言ってた? その、美味しくないとか……そういう味の感想について。」
「味に関しては特に問題はなかったかな。ただ、見た目は前の方がいいって。」
「そう、なの?」
「多分だけど、普段からそういう料理ばっかり出されるんだろ。だからそういう見た目が良いのは食べ飽きてて、セフィアが作るような普通の料理が食べたいんだと思う。ずっと高級料理だと肩が凝るだろ?」
「そうなのかな……。」
「それと、味に関しては何も言ってないけど、半分以上食べてたから堪能してたのは間違いないぞ。俺よりもがっついていた程だしな。」
「それなら良かった……。」
「そんなわけだからそう気負う必要はないぞ。それで文句言うようなら食べさせないだけだしな。」
まあ、文句は言わせないがな。
嫁の料理に文句とか何様だ!
嫁達の料理に文句を言うのであればたとえ神だろうと容赦はしない。
これって完全に胃袋を掴まれてるっと事だよな?
悪い気は全然全く微塵も感じないけど。
◇
朝起きて、稽古に行って、昼を紅白巫女と食べて、また稽古して、終わったら宿に帰る。
朝起きて、稽古に行って、昼を紅白巫女と食べて、また稽古して、終わったら宿に帰る。
朝起きて、稽古に行って、昼を紅白巫女と食べて、また稽古して、終わったら宿に帰る。
朝起きて、稽古に行って、昼を紅白巫女と食べて、また稽古して、終わったら宿に帰る。
そんなルーチンワークと言えるほどではないが日々の生活に流れが出来た頃にキリハさんから声を掛けられる。
なんだろ?
どこか変な所でもあったのだろうか?
やっぱり手加減がうまく行ってなくて演舞がぎこちなかったりするのかだろうか?
「今日で稽古を始めてから1週間になりますし、これまでお疲れ様とこれからより一層頑張りましょうという事で皆さんと食事に行く事になっているんですけど、レントさんもご一緒に行きませんか?」
「今日ですか?」
「はい。もしかして何か予定でもありましたか?」
「えーと、急な事なので嫁さん達にも伝えてませんので……一旦帰って伝えてからで良いですかね?」
「えぇっ!? ご結婚されてたんですか!?」
「ええ、まあ、はい。」
「でも、その若さで、ですか?」
「若いって、俺19ですよ?」
「えっ!? 15くらいだと思ってました……。」
そう。
もう俺19だったんだよね。
全然気付かなかった。
日々をのんびり、時として忙しく、そして楽しく過ごしてて全く気付いていなかったけどなんだかんだでそれだけの時間この世界で過ごしていたみたいだ。
高1でこっちに来たけど、気付けば卒業して大学に通ってる年齢になっていたらしい。
時が経つのは早いねぇ。
しかし4つも下に見られていたとは……。
そういえば前にアリシアさんが膨大な魔力を持っていると老化が遅れるとか言っていた気がする。
なんだかんだでレベルを上げてきたし、冒険者ランクもBだ。
祝福の効果とかもあるから既にその域に足を踏み入れていたとしてもおかしくはないけど……俺日本人だからなぁ。
単に若く見られやすいだけかもしれないし。
ま、どっちでもいいか。
シアはエルフでルナは魔族だ。
普通の人間とは寿命が違うし、なら長生きできればそれだけ長く一緒に居られるという事だ。
老化が遅れているのならそれはそれで都合がいい。
「そんなわけで、一旦宿に帰って伝えてから向かいますね。場所は何処でやるんですか?」
「え、あ、はい。場所ですね。場所はこの道場を出て左に行った先の左側にある『ふくちゃん』っていうお店です。少々値は張りますが食べ放題という形式をとっている店なので市民にも人気のお店なんですよ。」
「ふくちゃん、ですね。分かりました。では、伝えたら行きます。遅れていくので先に食べていていいですよ。」
「はい。他の参加者の皆さんにも伝えておきます。」
「よろしくお願いします。」
今夜は飲み会らしい。
それじゃ、飲み会を楽しむ為にも今日の稽古も頑張りますか。
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