第999話 えと、その、幾らなんでも高過ぎません? 的なお話
競りの1番手に出てきたのはヒレとかが黄色がかっている5メートルくらいのマグロ。
あれってキハダマグロ……か?
だけどあんなにデカいっけ?
あ、キハダみたい。
司会をしている人がキハダマグロって言ってる。
しかし、日本におけるマグロの王様、クロマグロ先輩でも最大で4メートルいくかどうかって感じじゃなかったっけ?
えーと……流石は異世界だなぁ。
マグロもスケールが違うや。
最初のキハダは約200万リムで落札された。
これが高いのか安いのかは分からない。
日本なら2000万くらいになるのだろうか?
だけど環境が違う分物価もそれによって変動するだろうし、地球では安定生産できる畜産もこっちの世界では魔物もいるから結構金がかかりそうだし、その分値段が高い気がする。
そういうふうに考えた場合、魔物がいて漁をするにも地球以上に危険が伴うこっちの世界ではもっと高い可能性もあるが、5メートルだ。
そう考えれば安い方なのかもしれないし……うーむ。
分からんな。
その後も出てきたキハダは大体200万リムで落札されていく。
その辺が相場なんだろう。
しかし、Bランクの魔物は一体でそんくらいする事もあるし、そう考えればマグロ漁師というのは冒険者並みに夢のある仕事のようにも思える。
まあ、船の上だと魔物の相手が大変そうだしより危険な気がしないでもないが。
「どう? 顔とか覚えた?」
「一応1人だけ覚えたけど、今回のはキハダだろ? もう少し上のランクがあるんじゃないか?」
「どうなんだろう? そもそもこっちにクロマグロは居るの?」
「それも分からないからなぁ。誰か詳しい人に聞ければいいんだけど……。」
「あの雰囲気じゃ無理そうよね。」
「だな。」
2人と一緒に悩みつつ競りの様子を眺めていく。
キハダは打ち止めのようで、別のマグロが競りにかけられていく。
鋭い槍のような部位を持つカジキマグロのようなのだけど、やはりこいつも大きい。
6、7メートルくらいあるぞ。
どうやらこいつはこっちではカジキではなく穿ちマグロと呼ばれているみたいだ。
鋭い槍のような部位で刺し穿つからかな?
カジキが出回っているのを見る事は無かったからどんな味なのか興味はあるけど、出費が嵩むのも良くないからカジキの優先度は低めかな。
他の……黒金マグロとやらが最優先で、それ以外のが買えなかったり、予想よりも安かったりした場合は買うって事で。
えーと……あの人でいいか。
マリオみたいな髭が特徴的で覚えやすいし。
カジキの競りが終わり、お次は真っ黒で流線型なボディが特徴的なマグロ。
俺はあんなの知らない。
異世界の種なのかな?
ひょっとしてあれが黒金マグロか?
黒いし金属みたいに黒光してるし。
と思ったが違ったようで名前は砲弾マグロらしい。
うん。
言われてみれば納得。
戦車砲の砲弾みたいな形をしている。
砲弾マグロの次は……あれか。
あれが黒金マグロか。
黒い上部に下部の銀、その中間に金のグラデーション。
また目の縁やヒレなどが黒と金で構成されていてとてもかっこいい。
間違いなく黒金マグロだろう。
サイズは驚きの10メートルオーバーらしい。
凄まじいな。
「今回の大目玉、10メートル越えの黒金マグロです! こいつを狩ったのは皆様ご存知、
え?
に、2700万?
マジで?
えと、その、幾らなんでも高過ぎません?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます