第971話 ようやく移動再開だ。的なお話
朝になり見張りをしていたユキノとルナに起こされるが、やはり眠い。
俺の番の時に襲撃されたので睡眠時間的にはそこまで変化はないんだけど、真夜中に動いたからかちょっと疲れてるのかも……。
テントから出て顔を洗う。
そのおかげで眠気も少しはマシになり、朝食の準備の為に食材を出していく。
ユキノもアイテムボックスを持ってるけど、なんだかんだでそこそこの日にちが経っている。
なのでもう使える食材は硬い黒パンに干し肉、乾燥野菜といった保存性の高い物ばかり。
寝る前に最後に見張りをする人に食材とか事前に渡しておこうかな。
そうすれば先にその為だけに早めに起こされることもないだろうし……。
朝食の準備が終わり残りのみんなも起こす。
ユキノはそこそこ出来るが、そこそこなのでそこまで調理に貢献できておらず、普段よりも少しばかり時間がかかっていた。
俺も手伝ったんだけど、俺も対して戦力になれなかった……やはり練習したいな。
「ふぁ……おふぁよ〜……。」
「眠そうだな。」
「うん……眠い……。」
眠そうに目を擦っていたセフィアに問いかけてみたが、普通に眠いって返ってくる。
というかこのままだとまた寝てしまうんじゃないかって思わされるくらいの声で本当に眠そうだ。
「セフィア、今すぐ洗面道具用意するから顔洗っておいで。」
「うん……そうする……。」
桶に水を満たして手拭いと一緒に渡す。
続々と起きてくるみんなの分も用意していると……。
「ひゃあっ!」
どうやら水が冷たかったようで後ろの方でセフィアがびっくりした声を上げている。
ちょっとしたイタズラというわけではないが、目が覚めるように少しだけ冷たくしておいた。
戻ってきたセフィアは少しだけムッとしていたが、冷たい水のおかげでちゃんと目が覚めたようだ。
他のみんなも顔を洗うたびに水の冷たさに驚いて声を上げていた。
ちょっと楽しいかも……。
イタズラは楽しいものだし、今後も……とは流石に思わないけど、偶にならやってもいいかも。
もちろん、笑えるような、誰にも迷惑のかからない内容で。
「「「いただきます!」」」
みんなで朝食を食べた後は移動の準備。
とりあえず見ないようにしていた盗賊の方を改めて見てみるが……うん。
あんまり近寄りたくないなぁ……。
ずっと放置していたから盗賊どものズボンの股間部分や足元が濡れていて、どう見ても漏らしてます。
まあ、あの時からずっと木に括りつけてるしなぁ……そりゃ漏らすよね。
なのでひとまず目を逸らして盗賊以外での準備をする。
魔道具の回収は1番最後。
木の板に『私達は盗賊です』『衛兵を呼んでください』『下着の替えをください』『餌は与えないでください』『噛みつくかもしれないのでご注意を』といった事を書いて首から下げさせる。
うっ……やっぱり臭う。
匂いが移ってしまった気がするのでルリエに頼んでデオドラントをかけてもらう。
普段は匂いフェチの気のあるルリエだが、流石に今回ばかりは何も言わずにデオドラントを使ってくれた。
汗をかいたくらいだと必要ないとか言ってくるからなぁ……。
それだけ嫌だったんだろう。
実際に臭うかどうかはともかくとして、気分的にさ。
そんなこんながあったが、ようやく移動再開だ。
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