第956話 いや、職人になったつもりないし! 的なお話

ロールダムを出て更に東へ。

残念ながら門番さんが教えてくれた料理の美味しい店やロールダムにあるお店等を見る事は出来なかった。

時間がなくてね……。

急いでいなかったらもう1泊するなりお昼まで街に滞在するなり出来たんだけど、そうもいかないから。

帰りはもう少し余裕があるだろうしその時に寄らせてもらおうかな。

まあ、店とか覚えていたらだけど。


そうしてお昼を挟んだ後の最初の休憩。

街で1泊したからといって、1時間の狩りをしないという理由にはならない。

というわけでセフィア達が一狩り行ってくる事に。

俺達は昨日やったからお留守番です。

留守番してる間何しようか……?

んー……とりあえずアルバとマロンに水でも与えておくか。

ついでにブラッシングでもしようかな。


まずはアルバとブラッシングを始めてふと思う。

今更だけど、なんで栗毛と白馬を一緒にしたんだろうな? と。

こういうのって普通毛色は合わせるものじゃないかな?

いやまあ、こっちは素人なんで同じ毛色だと見分けがつかないから毛色が違うとすぐに分かるから助かるんだけどさ。

今更変えようとは毛ほとも思わないけど、でもちょっと目立つ。


続いてマロン。

こちらは特にない。

普通の栗毛の馬だし。

強いていうなら、マロンは気持ち優しめにブラッシングされるのが好きみたいと言うことかな。

目を細めてめっちゃ気持ちよさそうにしてるもの。


その後は適当に休んでいると5人が戻ってきた。

どうやらそこまでの戦果はあげられなかったようで不満そうにしている。

まあ、昨日のトロルが異常だっただけで普通はそんなもんだよな。

だってあんな街の近くにあんなのがいたんだよ?

普通にやばかったんじゃね?

ひょっとしたらロールダムに依頼があったかも。

事後報告でも確認しておけばもしかしたら報酬がもらえたかもしれないししくった。

今すぐお金が必要というわけでもなかったからギルドにも寄らなかったし。

うん。

次の街ではトロルを売りに出そう。

それがいい。

容量無限だから入れっぱなしでも困らないからすぐに売る必要はないけど、このままだと忘れそうだし。


そして何事もなく進み……いや、本当に何も無かったよ。

俺今日まだ1度も魔物見てないし。

日が暮れてきたので今日はここで野営。

必要なものはストレージに入ってるしもう何度もやってきたからとみんな手際が良くてあっという間に準備が済む。

いやー、本当に早くなったよね。

人数も多いからマンパワーも大きいって要素もあるだろうけど、この早さはすごいと思う。

後は夕食が出来るのを待つばかり。


その間に暇つぶしがてら爪楊枝を作る。

あと少しでカンストだから気合も入るというもの。

最近はあんまり出来てなかったしな。

今回は持ち手を少し工夫してみるか……持ち手の部分を太くした方が使いやすいんじゃないか?

後前に作ったみたいに先端を少し曲げた方がいいだろう。

持ち手が太い分奥の方がやりづらいだろうから先端を曲げた方が使いやすいはず。


「レント〜ご飯出来たよ〜。」


後は滑りにくくする為に持ち手の部分に溝をつけて……よし!

完成だ!

スキルレベルは……


「レントってば〜。」

「よおっし!」

「うわっ!? びっくりした。」

「ん? セフィアか。どうかしたか?」

「どうかしたか? じゃないよ。ご飯出来たって呼び掛けても反応しなかったから見にきたんだよ。」

「あ、そうなのか。それはすまん。でもようやく爪楊枝作りのスキルがカンストしたんだ!」

「え、そうなんだ。おめでとう!」

「ありがとう。これでようやく爪楊枝作りから解放されるよ……。」

「お疲れ様。次はどうするの?」

「次はしばらくはいいかな。また変なのが増えても困るし……。」

「あはは……それもそうだね。」


ちなみに、爪楊枝作りにはまだ先があり、スキルは進化して爪楊枝職人(なりたて)となっていた。

いや、職人になったつもりないし!

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る