第652話 暴露されてる気がするのは何故だろう? 的なお話

〜カンナ視点〜


「そろそろ休憩も終わるし、レント、準備して。」

「分かりました。」

「あの、何かあるんですか?」

「ん? ああ。私は一応偉い立場にあるからね。この後に店巡りをしないといけないんだよ。後は冒険者が変なことしない為に見回りも兼ねてる。」

「この人、実は冒険者ギルドのリステル支部のギルドマスターでもあるんですよ。」

「えええええええー!?」


私のご主人様は……ギルドマスターでした。

本当に、すごい人に買われたんだなぁ。

ここまで来ると逆にピンとこないよ。


「それは置いといて、そういうわけなんで私は暫くここを離れるから。護衛は半分いるから安心して。」

「分かりました。」


そう言ってアデラード様は護衛にレントさんとアカネさん、後3人を連れて出かけて行きました。

テントに残っているのは私を含め6人。

蒼井さんとエルフの人、魔族の人、蜥蜴人族の人、そして人族の女の子だ。

こうして見ると、やっぱりハーレム?

謝ろうとしたの間違ってた?


「あの、貴女達の関係を聞いてもいいですか? なんだかアデラード様と随分と仲が良さそうだったんですけど。」

「ああ、私達はアデラードさんの弟子なんだよね。だからまあ、ああいう感じになるんだけど……後これって言っていいのかな? まあ、どうせそのうち知る事になるし別にいっか。実はアデラードさんとか…「ダメですよ! そういうことは本人の許可取らないと!」…そうかなー? そのうち知るんだし別にいいと思うんだけど。」

「良くないですよ! それに誰か聞いてたらどうするんですか。」


蒼井さんと人族の子が言い合っている。

よく分かんないけど、この子達がみんなアデラード様の弟子だということは分かった。

勇者の師匠に教わっているなんて凄いな。


「それよりも、他にすることがあるでしょ。初めまして。私の名前はアレクシア。アデラードのはとこよ。」

「え、あ! 私はルリエって言います。」

「え、エルナです。」

「レイダと申します。」

「改めて、蒼井優姫です。」


エルフの子がアレクシア、人族の子がルリエ、魔族の子がエルナ、蜥蜴人族の子がレイダ。

そして蒼井さんが優姫ちゃんと。

それにしても、バリエーション豊かだね。


「君達ってみんなレントさんのハーレムなの?」

「ぶはっ! な、何いきなりぶっ込んでんのよ! そんなの全然違うか……うん。私以外違う。」


優姫ちゃんが噴き出して慌てて訂正しようとするけど、周りを見て勢いがしぼんだ。

うわぁ〜。

本当にハーレム築いていたよ。

優姫ちゃんは違うみたいだけど、異世界ハーレム物って実現できるんだ。


「あーまあ、そういう事。後一応言っておくけど、ユウキ以外にもアカネとユキノ……えっと、護衛としてついて行った黒髪赤目の子は違うからね。」

「でも、6人はそうなんだよね?」

「そう……なるわね。」


なんか歯切れが悪いな。

ひょっとして!

まだ他にもいるの!?

凄いよ!

どんだけ絶倫なのあの子!?

私、アデラード様に買われて本当に良かったよ!


「あ、でも勘違いしないでよね! レントが別に好色ってわけじゃないから! ただ単に私達がレントを好きになって告白しただけなんだから!」

「え、それどういう事? もっと詳しく!」


何それ、すっごい気になる!

私昼ドラとかドロドロしたのは好きじゃないけど、リアルハーレム話は気になる。

それにどう見てもドロドロした感じじゃないし。


「え、えー、それを聞く?」

「だってすっごく気になるもの! それに今はアデラード様も居ないし。」


一体どんな話が出てくるのか、すごく楽しみ!


〜レント視点〜


「ッ!? な、なんだ今の!?」

「どうしたの?」

「い、今なんか悪寒が……。」


悪意感知に反応はないし……今のは一体なんだろう?

恥ずかしい何かを暴露されてる気がするのは何故だろう?

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