第641話 さっさと始めますかね。的なお話
朝………というか、昼か。
「ふわぁ〜。」
夜は少し加減してほしいという話はどこいったと言いたくなるくらいに襲われ、明け方とまでは言わないまでも、それなりに遅い……早い? どっちだろ?
まあいいや。
とにかく、そんな時間まで相手をした。
その結果、睡眠から目が覚めたのがお昼になったわけだが……なんという大惨事。
ベッドめっちゃヤベェ!
普段のアレの時もあれだったけど、今回は今までの比じゃねぇ!
どどど、どうしよう!?
そうだ!
こんな時のための生活魔法!
クリーンとか、デオドラントとか、そういう日常で便利なのが詰まった魔法があった!
ルリエが使えた!
「ルリエ、起きてくれ!」
「ふえ……あ、おふぁようぎょじゃいます……。」
かわいい!
でも今はそうじゃない。
「起きぬけで悪いんだけど、魔法を使ってくれ!」
「なんでれすか?」
「ベッドを見ればわかるから。」
「ん〜……うわっ! これは……分かりました。」
惨状を見て理解してもらえたようで、ルリエはまずクリーンでベッドと俺達を綺麗にしてもらう。
次にデオドラントで消臭。
匂い、凄いからなぁ。
ふとステータスを見てみれば、スキルが絶倫王に進化してた。
更に、
いやいや。
そう読めないこともないけど、全然
◇
片付けも終わり、みんなを起こして食堂に向かう。
そこでは優雅ではないがのんびりと過ごしているアカネ、蒼井、ユキノがいた。
イメージ的にはけ◯おん! といった感じ。
話の内容はわからないけど、蒼井とかなんか前のめりになっていて、お世辞にも優雅とは言えない。
「随分と遅い朝だな。」
「あー、まあな。それよりも腹減った。」
「だろうな。とりあえず席に座れ。」
ユキノに促されるままに同じテーブルに座る。
すると注文を聞きにレイちゃんがやってくる。
「え、えーと、ご注文はお決まりでしょうか?」
レイちゃんの顔が真っ赤だ。
なんでだろう? 風邪でも引いてるのかな? ………………なんて思わない。
遅れてやって来たのは俺と結婚してるか恋仲にある子達だ。
そんな男女の関係の人が遅れるなんてそういうことだと容易に想像がつくだろう。
何よりここは宿屋だ。
そういうことをする人はそれなりにいるだろうから分かるのだろう。
赤くなっている理由は耳年増故に想像してしまったか、ルリエが何か言っていたのを思い出したのか……。
まあ、ここで反応するとかえってやりにくいだろうし、平静に行こう。
クールになれって奴?
全然違うな。
「今日のおすすめでお願い。みんなは?」
「うーん。特にこれが食べたいって気分でもないし、僕もおすすめで。」
「私も。」
と、みんなが注文し、届いた朝食兼昼食を食べる。
こういうのをブランチって言うのかねぇ。
そういうカッコつけた言い方はあんまり好きじゃないんだけどな。
そもそも、やってる事はただ単に寝坊して朝食を食べ損ねてるだけだしブランチなんてカッコつけて言うようなものじゃない。
そんな朝食兼昼食を済ませると俺は武器の手入れのためにグラハム武具店へ行く。
携帯炉でも出来るが、アデラードさんの護衛をするわけだからな。
半端な事はしない方がいいし、したくない。
近くにあるリスティーンに行くアイリスさんを送ってからグラハム武具店に入る。
ちなみにリナさんは朝も昼も食べずに大急ぎでギルドに向かって行っていた。
無事だといいな。
「おう、レント。やっぱり来たか。」
「やっぱり?」
「この時期になると武器の整備をしてくれって話が多いからな。だからお前もくるんじゃないかと思ったんだよ。だからほれ。場所を用意しておいたぞ。」
「ありがとうございます。」
なんか準備しててくれたし、さっさと始めますかね。
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