第600話 間が持たないからー! 的なお話

〜リナさん視点継続中〜


「レイカー、あなたは相変わらずですね。」

「すみませ〜ん。」


おっぱい大きい人はレントさんを押しつぶしながらどこからともなく現れた。

というか!


「早くレントさんの上からどいてください!」

「えっ、あっ! すみません蓮斗さん!」

「って、ぎゃー! レントさん気を失ってるっすー!」


気絶!?

本当になんなのこの人は!?


「あー、またやっちゃったねー。まあ、それはいいとして、今日はどうしたの、レイカーさん。またアリシアさんに仕事があるとか?」


いいんだ!?

セフィアさん達全然気にしてないんだけど、本当にそれでいいんだ!?


「実はイザナ……っと、流石に今は言えませんね。」


イザナって何?


「それよりもレイカー、お二人に自己紹介を。」

「と、そうですね。私の名はレイカー。アリシア様の秘書をしています。」

「少々抜けてはいますが、神ですよ。」


神様!?

え……?

ひょっとして、私、凄く罰当たりな事を言った……?


「す、すすす、すみません! 私神様にすごく失礼な事を……。」


ひょっとして私、神罰受けちゃう?

死んじゃったりしないよね?


「あー、いえ、気にしないでください。そもそも私が上手く転移できないのがいけないので……。本当に、なんでいつも蓮斗さんに激突するんだろう……他のところは何も問題ないのに……。」


私、助かったの……?


「まあ、この子の事は置いといて、リナさん、それからアイリスさん。お呪いの件、どうしますか?」

「もちろん受けるっす! レントさんはこんな私を好きになってくれたっすから! それに、レントさん以外の人って事は暴漢に襲われてもそういう事をされないって事っすよね。むしろ女としてはありがたいっす。」

「そうですか。では、リナさんはどうしますか?」

「えっと……。」

「ああ、レイカーの事は気にしないでください。あれくらいで罰したりはしませんから。」

「そう……ですか。それじゃ、その、お願いします。」

「理由をお聞きしても? 先ほどは少し悩んでいたように見えたので。」

「えと、将来どうなるのか分からなくて、自信がなかったんです。でも、レントさんは私を受け止めてくれて、受け入れてくれて、だから、将来どうなるかという不安よりも、私の今の気持ちを、レントさんと一緒にいたいという気持ちを大事にしたいんです。」

「そうですか。では、今からお呪いをかけますね…………はい、終わりました。」

「「早っ!」」

「ついでに加護も付与しておきました。」


加護!?

それって敬虔な信徒ですら授かる者が少ないと言われているのに!?

こんな簡単に貰ってしまっていいものなの!?


「ああ、加護なら蓮斗さん達も持っているので気にしなくていいですよ。」


神様とか、お呪いとか、加護とか、もう、なんでもありなんですね。

というか、レントさんは一体何者?

いや、恋人になったのに後悔は何1つないんだけど、さすがに気になるというか……。

ま、まあ、さすがにもう何があっても驚かないと思う。

だってこれ以上に驚くことなんてそうそうないと思うし。


「さて、そろそろ蓮斗さんが何者か気になってきたところでしょうし、簡単に話しておきましょうか。」


そうして語られたレントさんの過去だけど……まさか、お茶請けのお菓子を買った神様が原因で死んでこの世界で生き直すことになっていたなんて……。

もう驚かないと思ってたけど、これは驚くよ。

でも、そっか。

それで他の人と違う感じがしたんだ。

違う世界の生まれだから。


「これで私の目的は達しましたが、折角なのでもう少しいましょうかね。今日は仕事に余裕がありますし、蓮斗さんと落ち着いて話す事は最近なかったですし。」


私としては落ち着かないんですけど……。

というか、そのレントさんはまだ気絶してます。


「あ、それじゃ僕達はご飯を食べてきていいですか?」

「そうですね。朝から押しかけてしまったわけですし構いませんよ。」

「じゃあ、ちょっと行ってきますね。レントの分も持ってこないとだし。」

「行ってらっしゃい。蓮斗さんは私達が見ておきますから心配しないでくださいね。」

「うん。お願いします。」


ちょっ、私をここに置いておかないで!

神様と3人きりなんて、間が持たないからー!

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る