第599話 このおっぱい大きい人は誰!? 的なお話

アホな神頼みしたところで、何がどうなるわけでもなく、レイカーさんは現れない。

これからひと騒動あると思うと頭が痛くなってくるが、説明しないわけにもいかないので、頑張るしかないか。


「いきなり浮気っすか!?」

「なんでそうなる!?」

「っていうかその格好……出遅れた!?」

「何が!?」

「こんな美人さんとどこで出会ったっすか!? というか、私はやっぱりポイっすか!?」

「しないから! というかアリシアさんとはそんな関係じゃないから!」

「神様と浮気だなんて……。」

「だから違うって!」


ほら、こうなった。

というか、いつもは率先して説明とかするのになんでこんな時に限ってしないんだ?

……あ、楽しそうにこっち見てる。

いや、見てないで助けてほしいです。


「レントさん! なんで私も誘ってくれなかったんですか!? ギルドマスターと訓練して疲れてるだろうと気を使って我慢していたのに、なんでアイリスさんとやっちゃってるんですか!」

「女の子がやっちゃうとか言っちゃいけません!」

「レント……今はそういう話じゃないと思うよ……。」


セフィアにツッコまれてしまった。

でも仕方ないんです。

咄嗟に口から出ちゃったんです。


「このままでは話も進みませんし、そろそろいいですかね?」

「あ、そうっす! そもそもあなた何者なんっすか!?」

「はいはい、落ち着いて。今からそれを説明しますから。まず、私の名はアリシア。神様してます。」

「はい!?」

「アリシアって、まさか創造神の……?」

「はい。そのアリシアです。まあ、それだけで蓮斗さんが浮気してないということはなんとなく分かると思いますが、どうですか?」

「確かに、創造神様と浮気するなんて罰当たりな真似する人、いるわけないっす……。」

「わかってもらえて何よりです。」

「それで、何故創造神様がここに? それに夢の件も。」

「簡単に言いますと、蓮斗さんとそういう関係になった人には毎回聞いていることがありまして。」

「「聞いていること(っすか)……?」」

「はい。お呪いを受ける気はありますか?」

「お呪い、っすか……?」

「それは一体どういうものなのでしょうか?」

「それはですね……」


あー、助かった。

アリシアさんのおかげで2人が落ち着いてくれた。

いやまあ、原因となったのもアリシアさんなんだけどね。

さて、こうなるともう俺の出る幕じゃないし、着替えちゃってもいいですか……


「……ッネペント!?」

「きゃんっ!」


こ、ここでレイカーさんですか……まさか……時間差で祈りが届くなんて……ガクッ。


〜蓮斗が気絶した為、視点をリナさんに変更します〜


昨夜夢の中に現れた神様。

全く見覚えのない人だったけど、後光が差していて間違いなく神様だと、そう本能的に理解させられる存在。

それが突然夢の中に現れて、しかも「明日の朝、あなたの恋人である蓮斗さんが……」っていう、気になる消え方をするものだから心配になって駆けつけてみれば、まさかの神様再臨でアイリスさんも何故か全裸でいるという光景。

あまりの事に気が動転して大胆な事を……うぅ……私何言ってるんだろ……?


そして創造神様のお呪いの説明を聞き是非! と答えようとして、私の弱い心が待ったをかける。

多分レントさんは一度そういう関係になれば絶対に手放さないだろうし、大事にしてくれるだろう。

平等に愛してくれるのも、セフィアさん達を見てれば分かる。

でも怖い。

レントさんにはなんの問題もない。

だからこそ、不安になる。

レントさんはあんなに素敵だし、周りにいるのも可愛い子ばかりで、別の人に逃げたくなったりするんじゃないかな?

それに、お呪いがなければ恋人になっちゃいけないわけでもないし、今は受けなくて、いつか自信がついた時に受ければいい。

うん。

きっとそれがいい……………はずないでしょう!

レントさんは、私が不安になって、暴走した時も突き飛ばしたりしなかった。

嫌いにならなかった。

受け止めてくれた。

受け入れてくれた。

抱きしめてくれた。

そんなレントさんを裏切っていいはずがない!

未来に自信がない?

そんなの関係ない!

そんなものよりも、今、自分が抱いている気持ちに正直になればいい。

言え。

お呪いを受けると。

言うんだ!

私の気持ちに嘘偽りはないと。

レントさんの恋人としての一歩目を踏み出すんだ。


「私、おま…」


「……ッネペント!?」

「きゃんっ!」


え!?

何?

何が起きたの!?

というか、このおっぱい大きい人は誰!?

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