第582話 本当に頑張れるのだろうか? 的なお話

「えーと、まあ、そんなわけで、申し訳なさとかもあり受け入れることに決めて、リナさんも恋人に……と言うことになりました。」

「「「おーー!」」」


ーーパチパチパチパチ!


セフィア、リリン、ルリエから何故か拍手が送られた。

一方で申し訳なさという言葉にリナさんが若干ショックを受けてる。


「も、申し訳なさ…」

「もうちょっと言葉選びなさいよ。」

「でも本当のことだし。それに受け入れると決めたからには手放すつもりないし。」

「レントさん…。」

「どうせアレがあるだろうし。」

「あー、確かにそうね。アレをやるなら責任を取らないといけないものね。」

「あ、アレ? アレってもしかして……。」

「何考えてるかわかるけど、それは絶対違うからね。」


リナさんが赤くなってる。

いわゆるあんな事やこんな事を想像しているのだろうが、残念ながらそっちじゃない。

近い内にアリシアさんがふらっとやって来て、レイカーさんが降って来て、そんでお呪いをするんだろう。


「まあ、そんなわけなんで、みんなよろしく。」

「じゃあ、これからよろしくね、リナさん。」

「はい! こちらこそよろしくお願いします!」



嫁さん達と一緒に食堂に向かうと当たり前のように朝食が並んでいて、天装の人達も席に着いている。

前の時も準備してもらって申し訳ないな。


「また朝食を用意してもらうことになってすみません。」

「気にしないで。昨日の夕飯はみんなが用意してくれたんだしこれくらいはね。そんな事よりも早く食べよ。」

「分かりました。」


アデラードさんに促されて席に着くと即座にメイドさん達が飲み物をグラスに注いでくれる。

そういえばグラスはガラス製だ。

こっちの世界のガラス製品は基本透明度が低く、それでも高級品で、透明な奴もあるがそれは更に高い。

流石に地球人も専門的な事までは知ってる人がいないのか価格破壊とか技術革新とかは起こってないっぽい。

俺にガラス知識があれば知識チートで大金持ちだったのにな。

俺の知識はケイ素とか石英が……で止まる。

某農業(アイドル)グループがやってる番組で見た気がするがあんま覚えてない。


「それじゃ、食べよっか。」


手を合わせいただきますをしてから朝食を食べる。

ふわっふわなスクランブルエッグやすごく柔らかいパンなど、どれもこれも美味しい。


「うえっぷ…。」


朝食は美味しいが、残念なことに食べられそうにない人も何人かいる。


「きぼちわりゅい……あたまいたい……。」


蒼井のやつは結構酔っていたし、こうなるのも仕方ない。

セフィア達は今回は大丈夫なようで何よりだ。

そして今回初めて飲んだアカネだが、途中で寝てしまっていたけどどうやら二日酔いの症状は出なかったようで美味しそうに食べている。

天装さんの方にも何人か酔いがひどかった人がいるようで、辛そうにしてる人が視界に入ったりする。


「今日から訓練を再開しようと思ってたんだけど、何人か無理そうな人がいるね。」

「そうですね。1番飲んでたのはアデラードさんですけど。」

「まあ、そこは慣れ?」


そこは慣れ以前に体質的な問題でしょうに。

だってドワーフの血入ってるんだもの。

その関係で合法ロリな訳だけど。


「ん? 今何か変なこと考えなかった?」

「いえ別に…。」

「でも流石に休みすぎるのも問題だし、今回は午後から軽めにしておくね。」

「それでもやるんですね。」

「休むのは大事なことだけど休みすぎると鈍っちゃうからね。」

「あの、その訓練ですが、私達も参加させてもらえないでしょうか?」

「だめ。」

「何故ですの!?」

「レント達を鍛えるのアレクシアが私のはとこで血縁関係にあり、その恋人でありいずれは結婚する間柄という、関係者だから。でも、ナタリア達は違う。そんなナタリア達を鍛えようものなら俺も私もといってたくさん来ることは容易に想像できる。私も一応忙しいからね。流石にそんなにたくさんの人の面倒は見られないよ。」

「そう……ですか。」

「一応ではなく忙しい身分のはずですが?」

「え、いや、それは言葉の綾というか…。」

「だとしても、一応なんて言えるくらいには余裕があるようですし、もう少し仕事を増やしましょうか。」

「ちょっ、それだけは待って!」

「ちゃんと仕事をしてくれるなら問題はないですけど、余裕があるようなら考えさせてもらいますからね。」

「わ、分かった。頑張る。」


アデラードさんが頑張る宣言をしたりといったことがありながら朝食の時間が過ぎていった。

しかし、本当に頑張れるのだろうか?

どれだけ保つか…ですか不安しかないな。

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