第580話 おやすみ〜。的なお話

アカネを背負い部屋に運ぶが、先に風呂に入ってて良かったな。

この状態のアカネを風呂に入れるのなんて、大変だろうからな。

もちろんやるのはセフィア達だけど。

メイドさんにドアを開けてもらいベッドに寝かせる。


セフィア達も酔ってるし、一応みんなが寝るのを確認した方がいいかな。

セフィアは……ちゃんと寝てるな。

リリンは……あー、ちゃんと布団に入ってないか。

一応ベッドで寝てはいるんだけどね。

きちっと布団に入れてあげて、と。


次はレイダさん。

服脱いでる。

揉みたくなるが、意識ないときにするのは申し訳ないのでせずに服を着せて寝かせる。

ルリエは飲んでないから問題ない。

ルナも同様だな。

シアは……普通に起きてるな。


「どうした? 寝ないのか?」

「もうちょっと飲んだらね。」


窓から外を眺めながらグラスを傾けるシアはすごく雰囲気がある。

エルフで美人だから凄く綺麗な絵となっている。


「……はっ。あー、ちゃんと布団入って寝ろよ。」

「分かってる〜。」


ちょっと見惚れちゃった。


次はユキノか。

ユキノは飲んでないが念の為ね。

うん。

ノックしても反応がない。

次〜。


「いや、差がありすぎだろう。」

「あれ? 部屋にいなかったのか。」

「ああ。天装の方で少々手を貸して欲しいと言われてな。寝ている人を運ぶのを手伝っていた。」

「なるほど。」

「それはそれとして、さっきの対応の差は何だ? 私の部屋だけ軽くノックしてさっさと帰ろうとしていたな?」

「いや、実際いなかったじゃん。」

「そ、それはそうだが、それでも、少し寂しいではないか……む、胸を触られた間柄なのに…。」

「ばっ! 馬鹿! いきなり何言ってんだよ!? あれはそういうのじゃないだろ!」

「嫁とそれ以外とで区別をするのはいい。だが、差別をするのはやめて欲しい。」

「あー、すまん。そんなつもりはなかったんだがな。もう少し気をつけるようにするよ。」

「頼む。明確な差を感じると、寂しくなるからな。」


何この子?

かわいいんですけど?

いかんいかん。

そうホイホイ手を出すのは良くない。

こういう時は嫁の顔を思い浮べよう。

うん。

さっきのシアを思い浮かべたらかわいいと思う感情は消えたな。


「俺は他のみんなの様子を見てから寝るが、お前はさっさと寝ろよ。」

「分かった。じゃあ、おやすみ。」

「ああ。おやすみ。」


最後は蒼井か。

………スルーしたい。

でも、差別はやめてくれと言われたばっかだし、な。

………仕方ないか。

ノックをしてみる。


「だ〜れ〜? って、風見じゃん。何の用〜?」

「あー、みんな酒飲んでるから、ちゃんと寝てるかの確認してるんだが……寝てないな。」

「え〜、いつもならまだ起きてる時間じゃ〜ん。そりゃ起きてるよ〜。」


こいつも酔ってるな。

管を巻かれないよう、そして脱ぎ出す前に逃げないと…。


「まあそうだな。じゃ、俺は寝るけど、お前も寝る時はちゃんとベッドで寝ろよ。」

「分かってるって〜。」


なんとか離脱できてよかった。


「さてと、んじゃ、俺も寝るとするか。」


みんなの様子を見たし、俺も寝るとしよう。

酒を飲んだせいか、いつもならまだ起きてる時間なのに眠いしな。

まあ、起きてるといっても、だいたいは嫁達に襲われてるんだけど。


「ふわぁ〜。」


おやすみ〜。

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