第520話 まずはそこからだな。的なお話
アデラード邸を出てとりあえず宿の方に向かいつつ、備品の補充でもしようと提案してみた。
「あー、確かに必要かもね。それにレントが持ってる道具とかをユウキちゃんやユキノちゃんに渡したほうがいいよね?」
「そうだな。とりあえずは食器類に調理器具、衣服に装備品、お金もいるよな? 後は……ポーション系もか。」
「そうだな。後は食材もだな。まあ、それらは一旦宿に帰ってからだがな。」
「じゃ、一旦宿に帰るか。渡すときに足りないものとかを確認できるし。」
「それがいいね。」
とりあえずで宿の方に向かっていたけど、話もまとまったので改めて宿に帰ることに。
レイちゃんに挨拶をしてから部屋でものを分けるが……
「相変わらず馬鹿げた容量ね……。」
ストレージから出した沢山の物を見て蒼井が呆れる。
まあ、これは容量無限だからね。
「呆れるのもいいけど仕分けを手伝ってくれよ。」
「溜め込んでるあんたが悪いんでしょ。というか何よ、この空き瓶の山。」
「アデラードさんが置いてった物だよ……。」
「ああ……。」
本当に、どうしたらいいんだろう、この空き瓶。
普通に捨てていいのか?
それとも酒屋に持ってけばいいのか?
その辺よく分からん。
あんま飲まないし。
「これは何だ?」
「んー、なんだろう………ああ。それ、唯からの手紙だな。こっち来るときにアリシアさんから貰った。」
「ふむ。ユイというのは誰だ?」
「妹だよ。」
「そうか。では、これは返そう。」
時折変わったものも出て来るがなんとか仕分け終わり足りないものが何か分かってくる。
…………でも、全部出す必要なかったな。
面倒だった。
誰だー。
ついでに整理しようなんて言ったの!
……あ、俺か。
つまんないボケは置いといて。
「それじゃまずは食材からな。取り敢えずこんくらいあればいいか?」
「これって何日分のつもりなの?」
「何があるか分からないから10日分のつもりだけど……多い?」
「んー………ちょっと少ないかな?」
「俺にはよく分からないからその辺はセフィア達に任せるよ。」
「任せて。」
「ん。」
「で、食器類は人数分あるけど調理器具も問題ないか。ちょっと少ないかもだけど。」
「まあ、2チームに分けるワケだからな。それは当然だろう。」
「欲しいなら買うけどそうでないなら無しという方向で。資金は潤沢にあっても沢山使う必要はないからな。」
「衣服はまあ問題ないだろう。で、お金だが………ユキノ、任せた。蒼井だと買い食いとかしていつの間にか減ってそうだし。」
「何よそれ!」
「じゃあ、買い食いしないって断言できるか?」
「そ、それは…………。」
顔を近づけて目を合わせる。
すると蒼井が視線をあっちへふらふら、こっちへふらふらと彷徨わせる。
リアルでこんな光景を見ることになるなんて。
実際に視線を彷徨わせる人っているんだな。
「…………ちょっと自信ないです。」
「そういうワケなんでユキノ、任せた。」
「分かった。」
「取り敢えず100万くらいでいいか?」
「多いわ! 5日でどんだけ使うと思っておるのだ!?」
「何があるか分からないし、念の為と思って。使わなかった分は後で返してくれればいいし。」
「それはそうだが……分かった。受け取ろう。」
「後は装備とポーション系だな。装備はともかくポーション系は補充しないといけないか。セフィア。そっちは終わった?」
「うん。大丈夫だよ。」
「それを仕舞ったら買い出しに行くか。」
「分かった。」
「りょーかい。」
荷物を分け終わってみんなで買い出しに行くが、そう大したことではないな。
ぶっちゃけポーションだけの予定だから午前中で終わりそうだし。
まあ、それだけじゃちょっとさみしいしもう少しブラブラと店を回りたいな。
あ、その前にアイリスさんのところに行って防具を預けていかないと。
まずはそこからだな。
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