第512話 セフィア達で良かったよ……。的なお話
「場所は私の家でやろう。毎回レイランでやるのは悪いからね。」
あ、そうなんだ。
それは良かったけど……なんだろう?
この釈然としない感覚。
すでに色々考え始めてたのにそれが全部無駄になるのがね。
全然悪いことじゃないんだけど、釈然としない。
「あ、でも場所とか分からないよね?」
「はい。行ったことないですし。」
「だよね? だから迎えの者を派遣するから宿で待っててね。大体6時くらいになると思うからそれまでには準備しといてね。」
「迎え? 分かりました。それで、それって他にも人呼んでいいですか?」
「他に? 例えば?」
「リナさんとか、アイリスさんとかですね。ルリエ達は最初から勘定に入ってますよね?」
「もちろん。それで、その2人だけかな?」
「多分そうですね。他には思いつかないですし。」
「その2人ならいいかな。じゃ、その2人もレント達と一緒に待っててもらうから連絡しておいてね。」
迎えって誰だろう。
ま、いいや。
その時になれば分かるし。
「今はこんなもんかな。それじゃ………あ、忘れるところだった。」
「なんです?」
「他の人達との顔合わせとか打ち合わせについて伝えるのを忘れてた。」
顔合わせって天装さんでしょ?
前に会ったことあるから顔合わせする必要ってあるのかな?
打ち合わせは必要だからそっちがメインだろ。
「時間は3日後の午前10時から。場所は当ギルドの会議室を押さえておくからそこで。」
「分かりました。」
「さて、これで本当に終わりかな。今日はこれからどうする?」
「特には決めてませんけど、近場での依頼か訓練でもと思ってます。」
「そっか。私は仕事があるから見ることが出来ないけど、頑張ってね。」
「はい!」
「それじゃ、また後でね。」
「あ、はい。また。」
また後でというアデラードさんの仕草と笑顔でドキッとしてしまった。
流石はシアのはとこなだけはある。
うーむ。
いずれ結婚するという関係性とこれまでの色々で少しずつ心境に変化でも起きているのだろうか。
まあ、悪い気はしないけど。
ギルマスの部屋を出てみんなの元に向かう。
流石にそこそこ時間が掛かっただけはあって朝の喧騒も蒸れる…じゃなかった。
群れるおっさん達も居なくなっている。
でも何故かアホと愉快な仲間達がまだ残っていた。
あ、目が合った。
でも無視しよ。
それよりも今後の事をみんなに話さないと。
「ルリエ。」
「あ、お兄さん。なんの話だったんですか?」
「ああ。ちょっと指名依頼の話があってね。」
後ろでなんか、「え、そこで無視する? でも指名依頼の話だし邪魔するのも……」なんて聞こえるが無視無視。
「まあ、その辺の話はここではちょっと無理だからまた後でね。」
「はい。そうですね。」
「で、それとは別にアデラードさんの家にお呼ばれしました。今夜はそこでパーティーだそうです。」
「えっ!? ギルマスの家でパーティー!?」
驚いたアホが話に入ってきた。
「そうだけど、お前は絶対に誘わないぞ。」
「なんでだよ! だってギルマスだろ? 噂じゃSSランク冒険者だっていうし絶対いい家に住んでて美味いもんとか食ってるんだろ。そんなの行きたいに決まってるじゃないか!」
「いや〜、それは流石に無理かな。だってお前、アデラードさんとはこの前の狩猟大会の時とさっきくらいしか話した事ないだろ。そんな奴を連れて行くのはちょっとなぁ。」
「そうだよ。それにギルマスって凄く可愛いのに、そんな人の家に行くなんて…………許すと思う?」
「い、いいえ! 全然思いません!」
ま、マリナの後ろに大蛇が見えた……。
さ、流石は貴族令嬢。
迫力が半端ない。
クルトお前、もう完全に尻に敷かれてるんだな。
「こ、恋人の許可は得られなかったみたいだし、諦めるんだな。」
「そ、そうだな。そうする……。」
俺、嫁がセフィア達で良かったよ……。
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