第504話 どう反応したらいいんだよ! 的なお話

お昼ご飯を食べ終わってみれば、そこには様々な顔をしたみんなが。

満面の笑みで幸せ〜という表情のセフィア、リリン、ルリエ。

特にリリンは手が震えてないという事で嫁達の中でただ1人、俺に食べさせることができていたからか、3人の中で一番の幸せオーラを放出している。

そして、シア、ルナ、レイダさんの3人は恥ずかしそうにしていた。

あとあと振り返ってみたら恥ずかしくなったのだろう。

アカネとユキノは何やら居心地の悪いといった感じでなんかモジモジしてる。

なんか、ごめんね。

でも、今後もイチャつける時はイチャつくのでまた迷惑をかけるかも。

まあ、そん時はそん時。

未来の自分に任せるさ。

リナさんは………なんだろう?

あれは……嬉しい? いや、恥ずかしい?

なんか時折アワアワ、でもえへへって顔をしている。

ギルドの中だから恥ずかしい。

でも、あーん。が出来て嬉しいって感じかな。

こっちはやり過ぎたと思ってるんだけど。

アデラードさんはむっす〜ってしてる。

アデラードさんには食べさせなかった。

それは軽率な行動をした事に対する罰的な意味があるからなんだけど、それがお気に召さなかったようだ。

そして最後に蒼井。

こいつは怒りを隠していない。

怒っても改善されず目の前でずっとイチャイチャしてたらそうなるか。

独り身だし。


昼食を終えて食休みも終えたら訓練を………と、思わなくもないんだが……外、まだ雨降ってる。

雨具、ドロドロ。

服、着替えたばっか。

……………外出たくねー。

もう、このままここでおしゃべりでもしてちゃダメかな?


「さて、それじゃ、訓練でもしようか。」


あ、だめ?

そうですか。


「でも、雨降ってますし、服も変えたばっかなんですけど。」

「うん。だから午後からは魔法の訓練をするよ。」

「ほっ。良かった。」

「まあ、それも外だけどね。」

「!?」


どのみち外なのかよ……。


「じゃ、外行くよ〜。」

「「「「「はい!」」」」」


返事はしっかりとしないとね。

たとえ、嫌でも。


「昨日レントが言ってたんだけど、使える属性が少ないって。というか、雨降ってるのに火を使ってる時点でどうかと思うし。だから改めて、みんながなんの属性が使えるのか教えて。」


俺は火と木。

ただし木はまともに使えない。

セフィアは風と土。

リリンは水と闇。

ルリエは火と水。

シアは風。

あと精霊魔法。

精霊魔法は契約している精霊さんに魔力を渡して魔法を使って貰うらしい。

詳しい事は知らん。

精霊見えないから使えないし。

ルナは火と闇。

レイダさんは火と風。

アカネは火炎と風。

蒼井は氷。

ユキノは火と闇。

火、多いね。


「ねぇ、火系多くない?」

「そうですね……。」

「でも、ユウキちゃんを除いてみんな2つ属性があるんだ。まあ、木魔法はレベルが低い内は戦うのに向いてないけどね。」

「…………よーく知ってます。」


今使えるスペルは生長、草結び、カモン・トレントだけ。

カモン・トレントはトレントを呼ぶだけで何にもならないし。


「というか、そもそもの起源からして攻撃を目的としてないからね。」

「へ? というか、起源?」

「うん。この魔法はもともとエルフのように植物と意思疎通を行いたいっていう思いから生まれたスキルだからね。」

「そんな理由があったんですね。」

「その子は人間なんだけど、エルフの先祖返りなんだ。でも、受け継いだのはエルフの長命と強力な魔法適正と莫大な魔力だけだった。精霊を見る力もなければ植物と意思疎通を測ることもできない。人間としてもエルフとしても中途半端なその子はエルフとして生きることを選んだ。でも、植物と意思疎通は出来ないし精霊も見えない。だから、その子は魔法やスキルで出来ないかと考えて努力をした。その結果生まれたのが精霊視と木魔法なんだ。」


なんて言えばいいのだろう。

その人すごかったんですね。は違う。

可哀想ですね。も薄っぺらい。

本当に、なんて言えばいいんだろう。


「ちなみにその子ってのがエリーナなんだけどね。」

「「「「「はい!?」」」」」


え、マジで?

そっか〜。

だからあの人はあんなに気品に溢れてるんだ。

だから270なんて年齢なのか。

………………どう反応したらいいんだよ!

というか、なんでこんなタイミングで個人情報漏らしてんだよ!

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