第493話 やっぱりリリンはすごい。的なお話

お昼を食べ終えた俺達は部屋に集合した。

目的は遊ぶためだ。

違った。

心のケアだ。

まあ、遊ぶことに変わりはないんだけど。

あれからお昼を食べている内にセフィアとルリエが恐慌状態から完全に脱した。

2人は加護の上の恩恵だからね。

その恩恵の能力の内の状態異常耐性のおかげで回復が早かったのだろう。

そして、他のみんなもほとんど大丈夫な状態まで回復している。

だから、リラックスしてのんびりしてるよりも遊んだ方がいいかなと思った。

後単純に遊びたかった。


「さて、何からやる?」

「ライフゲーム。」


ライフゲーム。

ようはあれだ。

人生な感じで最終資産を競う双六。

名前はきっと転生者かなんかが本家をもじったんだろう。

本家では車だが、これは馬車だ。


「私小説家になったわ。」

「近衛騎士。」

「僕は薬師だって。」

「私は娼館の経営者だって。……って、なんでそんなのがあるのよ!」

「俺は……何にも止まらなかった。つまりは冒険者か……。」


本家でのフリーターはこれでは冒険者となっている。

確かに雑用依頼とかもやったことあるけど、どうせなら普段とは別の仕事が良かったな。

まあ、蒼井の娼館経営よりかはマシだな。

ちなみに娼館経営の場合の収入はちょっと変わってて途中にある3回のラインを超える度にルーレットを回してその時に出た数字のランクによって収入が変わる。

冒険者との違いは一定期間決まった額が入ってくるということ。

冒険者だと毎回ルーレットだからね。


みんなの職業はこうなった。

俺、冒険者。セフィア、薬師。リリン、近衛騎士。ルリエ、男爵。シア、豪商。ルナ、宿屋。レイダさん、ギルド職員。アカネ、小説家。蒼井、娼館の経営者。ユキノ、鍛治職人見習い。


「あ、僕結婚した。」

「じーー。」

「ゲームの中だから! そんな目で見ないで!」


セフィアが結婚して同乗者が増えた。

ゲームの中とはいえ面白くないものは面白くない。

なのでついじーーって見てしまった。


「急に信仰心に目覚め教会で職業が見習い神官になる。……って、そんな!?」

「ありゃー。ドンマイ。」


シアが見習い神官にジョブチェンジした。

元の職業は豪商だった。

豪商はかなりの当たり職業で高収入だったのだが、見習い神官になると一律1000リムとなる。

ドンマイとしか言いようがない。


「冒険者、家を買う。」

「うるさい。」


蒼井に昔やってたドラマのタイトルっぽく言われた。

確かに俺は冒険者だけど、そんなネタは古いよ。

それにわかる人なんて俺以外いないぞ。

ちなみに残金はたったの4万リムになった。


ゲームも終盤戦へと突入した。

現在の1位は意外な事にレイダさんだ。

彼女はギルドマスターだ。

対して俺はクラスアップしてAランク冒険者になっている。

収入がなんと普通の冒険者の10倍もするというもの。

そのお陰で最底辺から一気に4位に飛躍した。

とはいえ、このままだと勝てないかも。

ちなみに未婚。

俺の嫁はセフィア達だけなので。


「あ、結婚した。」

「なぬ!?」

「相手は姫様。私国王。」


リリンが終盤になって結婚した。

近衛騎士とお姫様というロマンスの予感がする組み合わせ。

それはいい。

でもその関係で収入が40万に跳ね上がり、住む場所も王城という国王限定の住居になった。

国王になれるのは近衛騎士だけで終盤にたった1マスだけある姫様との結婚イベントマスのみ。

そこにここで止まるとか、相変わらず凄すぎる。

5位だったリリン。

しかし最終結果を見てみれば。


「勝った。」

「また負けたー。」


リリンが1位になった。

なんだかんだでいつも勝ってる気がする。

やっぱりリリンはすごい。

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