第456話 フラグだと思ったのに。的なお話

どうしたらいいんだ?

リナさんに告白されるなんて。


「どうしたの? なんか、リナさんが凄い勢いで走って行ったけど?」

「あ、セフィア……実はリナさんと話してたら、話の流れというか、勢いで告白された。そんで逃げられた。」


嫁さんに告白されたって言うのはどうなんだろう。

普通なら嫉妬とかそういうのが出るんだろうな。

でも、ウチの嫁さんは普通とはちょっと違う。

どんなリアクションが出ることやら。


「いつかはそうなるんじゃないかな〜って思ってたけど、まさかここで言うとは思わなかったよ。で、どうするの? リナさんもお嫁さんにするの?」


どうするの? ときました。


「いや、確かに可愛いとは思うけど……そんなつもりはないよ。」

「今はね。」

「リリン……その言い方はずるくない?」


そりゃ未来で何があるか分からないし絶対にそう言うことにならないとは限らないし、アデラードさんにアホほど酒を飲まされれば、何かがどうかなってそういう関係になるかもしれない。

そうでなくても何かの拍子でそういう関係になるかもしれない。

だから今はね。という言い方はズルい。


「リナなら問題ない。」

「何が!?」

「前にちょっと話してたんだよね。リナさんもレントの事気になってるみたいだって。」

「いつの間に………ん? 今、もって言った?」

「うん。もう1人はアイリスさんだよ。」

「あー、なるほど。」


そのアイリスさんにも告白されましたね。

もしもそのまま付き合うなんてことになったら7人ということになる。

それにレイダさんも向こうが自覚して決心つけば即座に受け入れるつもりではある。

異世界に来てから俺、スッゲーモテ期じゃね?

あっはっはっはっはっはっは、はぁ〜。

俺、このまま行くと某辺境伯みたいな事にならない?

それに資金も、今はなんとか貯めていけてるけどこのまま増えていけばどうなるか分からないよ。


「セフィア達はどう思ってるんだ? そういう関係になるのは勿論のこと、資金とか、生活拠点とかさ。」

「うーん。言われてみればカインのお家も既に全員で住めないよね。となると新しい所を借りるなり買うなりしないといけないけど、人数が多いから必然的に家も大きくしないと……でも、それだとやっぱり高いよね?」

「絶対高い。頑張らないと。」


金銭的にキツイからやめた方がいいみたいな方向性に持って行こうとしてたんだけど、あれー?

なんか、もう受け入れてその先の話になってるんだけど!?


「えと、あのね、だから俺は受け入れるのはちょっと考えた方がいいかな〜、なんて思ってたり……。」

「大丈夫だよ。きっとなんとかなるよ。」

「大事なのはお金じゃない。心。」


お金よりも大事なものはあるなんて、よく聞くけど、その心を守るためにはお金が必要なんですけど。


「それにレントはいつも言ってるじゃない。自分は既婚者だから自分から動くことはないけど、告白されて、好きになったら絶対に大切にするって。」

「あー、そうだな。2人とも可愛い人だと思うし今後好きになったらその時はその時って事で。」


俺お得意の現状維持、未来に丸投げだ。

未来のことなんて考えたって答えなんて出ないし、だったら今と近い未来に向いていた方がよっぽど建設的だ。


「そうだね。とりあえず、後でルリエちゃんとシアちゃんとルナちゃんに言っておくね。」

「あ、うん。よろしく……」


大丈夫かな?

俺、刺されないよね?


「おーい、レント。休憩したいからちょっと交代してくれ。」

「あ、はーい。」


お昼休憩は交代でとってたけど、それでも偶にやって来る魔物と戦ってたからな。

少しは気を休めたいんだろう。

というわけで話を切り上げてルーカスさん達の代わりに警護を行う。

四方を4分割して警護していて、その内の西側を担当する。

そうしているとイノシシさんがやって来て、複数の人間がいるのを見て引き返したり、ゴブさん達が襲って来たりするので、イノシシさんを含めて全て倒す。

イノシシさんは例によってリリンがシュパッて行って倒した。

やっと冒険者らしい仕事ができてる。

やっぱこうでなくっちゃ。


そうこうしているうちにあっという間に終わりの時間が来て、昨日と同じく結果発表は明後日ということでみんなで帰ることに。

道中で黒狼さんから交代した真意を教えてくれた。

このまま何もしていないと俺達だけ報酬が少なくて可哀想だと思って交代してくれたんだそうだ。

いい人だ。

しょっちゅう忘れてたり、名前を間違えてごめんなさい。


ところで、レックスさんは?

フラグだと思ったのに、何もなかったよ。

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