第254話 臨時収入いっぱい的なお話
「あの、なんかギルドカードに変な表示があるんですけど。」
「ちょっと見せてみろ。」
「これなんですけど……」
ギルドカードの表示しているところを指差して見せてみる。
「こいつか……成る程。随分と変わった奴を倒したもんだな。」
「これの意味って何ですか?」
「こいつはオーガロードの域を超えかけているってことだ。」
「?」
「まず、魔物についてを説明しよう。魔物には◯◯種って呼び方がある。これは魔物の種類ではなくて、段階というか、特異性を表しているんだ。そんで、普通に見かける基本的な状態の魔物の事を通常種。その通常種の延長線上に存在する亜種。こいつらは基礎ステータスが通常種より強く本来持つ能力の延長線上にある能力を新たに持ってたりする。そんでここに書いてある異常種。変異種とも呼ばれてたりするな。こいつは本来の姿からかけ離れている姿をしてたりし、通常ではありえない能力を持ってる。例えば本来ならば火の魔物が水の魔物になってたりする。ちなみにオーガロードは二本腕だ。普通はな。それに闇魔法は使えない。だからこいつはオーガロードであってオーガロードではないってことだ。」
なんか、ややこしいな。
えーと、普通の魔物が通常種で、普通より強いのが亜種。で、普通と違うのが異常種でいいのか?
「それらの見分け方ってあるんですか?」
「あるぞ。通常種は問題ないな。で、亜種は体色が違ってる。異常種は見た目からして通常と違う。まあ、だから異常種なんだが。」
「成る程。」
しかし、そんな凄い奴だったのか、あれ。
「とはいえ、これじゃ報告書に書くのに不便だな。」
「何がですか?」
「名前だよ、名前。オーガロード? じゃ流石に問題があるだろう。お前んところのは名前もわからないのかってね。」
「はぁ?」
「お前、なんか考えろ。」
「はあ!?」
そんなの異常種でいいだろうに。
えーと、闇……だからダーク? だと安直だしイビル? それに剣。だからイビルナイトオーガロードでいいか。ナイトなら夜って意味もあって闇っぽいしな。
「じゃあ、イビルナイトオーガロードで。」
「イビルナイトオーガロードね。お、世界もそれでいいみたいだな。」
「へ?」
「ギルドカードを見てみろ。名前が変わってるぞ。」
そう言われて確認すると確かに表示が変わってる。
オーガロード? →イビルナイトオーガロード(オーガロード異常種)
しかしこれ、なかなか恥ずかしいな。
中二って思われないよね?
ま、まあ、異常種だし、こいつだけのはずだし、大丈夫だ。
何が大丈夫かは分からないが、大丈夫。
どうせ誰にも知られないはずだ。
その後も倒した魔物を確認していくと、見たこと無ければ、倒した覚えもない魔物が書いてあった。
鬼面ムカデ
そんなのいつ倒したんだ?
…………もしかして、あの時か?
デカダンゴムシを打ち返した時に轢かれたのか?
それ以外思い浮かばない。
というか、あんな倒し方でいいのかよ。
……ギルドカードって意外と寛容なんだな。
そして全部集めて受け取った後、ほとんど売った。
だって使い道ないし。
最終的な利益はこうなった。
俺 70万
セフィア 65万
リリン 82万
ルリエ 45万
アカネ 79万
レイダさん 58万
蒼井 60万
合計359万+イビルナイトオーガロード+魔物の肉各種
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