第255話 宴会です。的なお話
話し合いも終わったので詰所を離れる。
「そういえばレント。なんでイビルナイトオーガロードを売らなかったの?」
セフィアもその名前で呼ぶんですね。
世界もその名前で認めたんだけど、なんかこそばゆい。
「あれで何か装備とか作れないかなって思ってさ。折角の異常種なんだし。」
「あ〜、なるほど。確かに凄いのが出来そうだよね。」
「だろう。まあ、真ん中から真っ二つだからどうなるか分かんないんだけどね。」
「そういえば、あの時に使ってた技っていつの間に覚えたの? 初めて見たんだけど。」
「あれは、その〜、二人が怪我してるのを見たらぶちギレちゃって。そん時に何かが頭の中で噛み合って生まれた……みたいな感じだった。」
「レント………」
「あの、私は?」
「え? あ、怪我がなくてよかったよ。」
「ちょっ、確かにセフィア達とは立場が違うかもしれないけど、いくら何でもその対応はひどくない!?」
「ごめんごめん。まあ、剣で防いでるのが見えたから大丈夫かな〜って思ったんだよ。」
「それでも少しは気にしてよ!」
アカネが起こっているが、それは無理な相談だろう。
友人として好いてはいるものの嫁とじゃ天と地の差があるもん。
結果だけ見れば全員無事で臨時収入もあってウチとしては万々歳だ。
死者もいるから喜びにくいんだが、こればっかりは仕方がないと納得するしかないんだよな。
そんなことを考えながら帰ろうとしていたらギルマスさんに呼び止められた。
「すまん。一つ伝え忘れてた。今夜街の広場で防衛記念の宴会やるから絶対に来いよ。お前らが一番活躍してたのにそのお前らが来ないんじゃ話になんないしな。じゃあ、伝えたからな。」
そう言ってギルマスさんは去っていった。
というか、俺らが一番活躍したのか?
普通にやってただけだし、他とそう変わらないんじゃ……
「レントはどうする? 行く?」
「え、うーん。オーガロード倒したのは俺だし俺は行くべき……なんだろうな。みんなはどうする?」
「僕はどっちでもいいんだけど……レントが行くなら行こうかな。」
「行く。」
「私も行きます。」
「お伴します。」
「私も行こうかな。」
「私も行くよ。こっちの宴会に興味あるし。」
このこっちってのは異世界って意味だろうな。
ユーリとレヴィもいるし一応蒼井も気をつけてんだな。
「二人はどうする?」
「もちろん行くわ。」
「当然です。」
「結局全員参加か。あ、セフィア達はお酒飲まないでね。………あんな姿は他の冒険者に見せられないし。」
「え、うん。分かった。」
ルリエとアカネがうんうんと頷いている。
まあ、以前の惨状を知ってるからね。
セフィアの実家で戦闘の疲れを癒したりお昼を食べたりして夜までのんびりして宴会に向かった。
「みんな、それじゃあ宴を始めよう。散っていった者達が俺達が守った人々が生き生きとしてるのは俺達が命をかけて護ったからなんだと誇れるように、今を精一杯楽しもう。乾杯!」
「「「「「乾杯!」」」」」
か、かんぱい。
というか、楽しめねーよ。
現代日本人にその音頭は逆効果だよ。
お酒は飲まず食べ物をちびちびと食べていく。
多分倒した魔物なんだろうな、この肉達。
セフィア達は……うん。
ちゃんとお酒は飲んでないな。
そんな感じに食事を楽しんでいると残念な酔っ払いが出てくる。
そいつらは女をはべらせて調子に乗んなとかそんなことを言いながら決闘を仕掛けてきた。
しかも周りの酔っ払いが騒ぎたてて引くに引けない状況に。
なんで、こうなるの?
というわけでムカつきを籠めて丁寧に叩きのめしました。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます