第247話 モンスターパレード的なお話

大まかな予定が決まってからの一週間はあっという間に過ぎてしまった。

その間の仕事では時々……というか毎朝ユーリと遭遇した。

いや、遭遇したじゃなくていつの間にか混ざってた。

ちなみにレヴィは実家の手伝いがあるからなのか2日ほど遭遇した。


「ぐすっ。もう行っちゃうのね。寂しくなるわ。」

「いや、泣くほどですか?」

「だって、家の中があんなに華やかになったのは初めてだったんだもの。ヨーリスもグレンも全然恋人を連れて来ないし。」

「「俺らの事はほっといてくれ。」」


「所で、君はどうしたのかな? そんな大荷物を持って。」

「もちろん、セフィアちゃんと一緒に行く為よ。」

「おい。そんなの認めないぞ。」

「やだ。絶対行く。」

「駄々っ子かよ……」


すごい強情だ。

これを宥めるのは骨が折れそうだ。


カーン、カーン、カーン


「なんの音だ?」

「モンスターパレードだよ!」

「モンスターパレード!? って何?」

「魔物の群れが襲ってくることだよ。」


スタンピードみたいなやつか。

あれ?

スタンピードでいいんだっけ?

まあ、それは別にいいか。


「取り敢えずギルドに行ったほうがいいかな。」

「そうだね。」


みんなでギルドに向かう。

ハンナ義母さん達は家だけど。


「緊急依頼です。モンスターパレードが西門側で観測されました。今は門を閉じて防いでいますが、いずれ落とされるでしょう。ですが、ここには皆さんがいます。きっと皆さんなら打ち勝つことが出来ます。報酬は全員一律で5万リムと少なめですがどうか、この街のことをよろしくお願いします。」


混戦になるし出来高制は無理。

そして敵の規模も分からないから一律なのかな?

買取はどうなるんだろう?

と、今はそんなことはどうでも良いか。


「俺たちも行くか。セフィアの実家があるからほっとけないし。」

「ん。」

「頑張りましょう。」

「そうね。」

「ドキドキするね。」

「微力ながらお手伝いします。」

「みんな、ありがとう。」


先に行ってる冒険者さん達を追いかけて西門に行くと丁度門が開く時だったようで魔物の全貌が明らかとなる。

魔物の構成はアーマードッグやゴブリン、コボルトのような雑魚からロックディアー、オーク、クリムゾンベアのような中堅どころ。

他にも見たことのある魔物がや見たことのない魔物がいる。

そして問題なのがその後ろにいる見たこともない魔物だ。

頭には一本の角が生えており、ゴツい体躯に太い4本の腕を持つ鬼のような魔物。

あいつはかなり強そうだ。

気を引き締めないと。


「野郎共。行くぞーー!!」

「「「「「おおぉぉぉぉーーー!!!」」」」」


これだけたくさんの魔物と戦うのは初めてだ。

それにたくさんの冒険者とも共闘するのも。


「見たこともない魔物もいるし、離れないように気をつけよう。」


みんなに声をかけて魔物退治を開始する。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る