第240話 揃えました。的なお話
案内人をゲットした所で着替えをしていたらしいレヴィさん? が私服になって現れた。
パワータイプなはずなのに意外な事にスカートを履いていて、しかもこれまた似合っている。
まあ、そんな事は別にいいか。
一人加えてエルカ観光を再開する。
先ずはアクセサリー商。
そこを見てみるとカインの雑貨屋で以前買った共振の指輪が並んでいる。
ふと、ルリエの指を見てしまった。
セフィアとリリンの右手人差し指、そして俺の右手人差し指と中指にあるのにルリエの手には結婚指輪しか無い。
これは、買うしかない!
いや、いっその事上位互換のにアップグレードして揃えよう。
お店の人に頼み、3人分のをアップグレードしてもらい、それとは別にワンセット購入する。
俺のは無地、セフィアのは黄色、リリンのは水色。
そして新たに買ったのはルリエのは髪色に合わせて赤だ。
受け取りは三日後だと言われ、その時にルリエのも受け取る事にした。
ひと段落したので他の人の様子を伺うと何やら楽しそうに話しながら選んでいた。
やっぱりそこは女の子なんだな。
傾向としては蒼井が可愛い系、アカネがシンプル系、そしてレイダさんが…………能力重視系だ。
そういえばこの世界のアクセサリーって装備するだけでステータスに補正が掛かるんだっけ。
美人なんだし、もう少し女の子らしいのにすればいいのに。
だからそう言ってみた。
「な、何を言ってるんですか!? わ、私が……そんな……」
「レントの言う通りだよ。ほら、これなんてどうかな?」
そう言ってセフィアがレイダさんに付けてみたのは花のヘアピンだった。
「うん。よく似合っている。ちょっと待ってて。今会計済ませてくるから。」
拒絶する暇を与えないように速攻で買ってそれをレイダさんにプレゼントした。
それでも案の定遠慮するがご主人様命令ということで受け取ってもらう。
全く、ご主人様は……みたいな顔をしたが、ヘアピンを髪に付けるとはにかんだ。
凄くいい笑顔だ。
そしてみんなが思い思いの品を買ったので、アクセサリー商を後にする。
次に見たのは図書館。
図書館は全て国営で持ち出し厳禁、入館料が必要で日本とはまるで違っていた。
まあ、印刷技術もない世界だし仕方ないよな。
ラノベやネット小説なんかもそうだし。
図書館の後は薬屋、魔道具屋、雑貨屋なんかを案内してくれた。
魔道具屋はやはりというか、なんといつか、どれもこれも高い。
高いので何も買うことなく店を後にした。
雑貨屋では石鹸を買った。
そして最後に案内されたのが教会だった。
そういえば、俺はこの世界に来てなんだかんだで一度も来てなかったっけ。
もともと無神論者だったから行こうと思ったことはあったけど、実際に行くことはなかった。
オマケに何度も神様本人がやってくるのだから尚の事来ようという気にはならなかった。
とはいえ、折角なんだしと思って少しほど寄付をしてお祈りをする。
(この世界に連れて来てくれて、ありがとうございます。アリシアさん。)
(気にしないでください。)
(あれ? 聞こえてました?)
(ええ、ばっちりと。蓮斗さんには私の恩恵がありますからね。)
(なるほど。)
(セフィアさんの件はどうなりましたか?)
(ああ、どうやら何事もなく済んでいたみたいで、安心しました。)
(そうですか。それは良かったです。と、あまり長く話していても良くないですから、私はこれで。そのうち伺いますね。)
(はい。)
まさか、アリシアさんと念話するなんて。
念話って憧れてたし、夢が叶って良かったよ。
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