第237話 洗濯失敗的なお話
「お袋、昼飯は………ってその怪我はどうしたんだ親父!?」
セフィアの家に帰るとグレンさん? が起きていて、お昼ご飯を要求しようとした所でレウィンさんの怪我に気がついたようだ。
「大丈夫なのか? 誰にやられた?」
「いや、その……」
自分の嫁さんとは流石に言いづらいよな。
「そっちは何も問題ないわ。もう解決したんだし。それよりもお昼よね。今レントちゃんに出してもらうから。」
「レントちゃん!?」
「そう。レントちゃん。セフィアのお婿さんよ。」
「はぁー!? いつの間にそんな事になってんだ!?」
「その話は昨日の時点でもう終わってるんだから、同じ話をさせるのはかわいそうよ。」
「いや、俺その時仕事でいなかったんだけど。」
「仕事って?」
「レントちゃん。グレンはね、街の警備隊に所属してて夜の見回りをしてるのよ。」
「それで昨日はいなかったんですね。」
「そうなんだが……本当に良いのかよ。いや、百歩譲って結婚してるってのはまあ、いいとして、そっちの連中は一体なんだ? なんでこんなに居るんだ?」
「ほら、例のあの人の事が心配で一緒に来たんですって。」
「ああ。あいつか。なるほど。それでか。」
「まあ、こんな所で立ち話もなんだし早く家に入りましょう。」
ハンナ義母さんに促されて家に入っていき、ストレージにしまっていたお昼の残……ゲフン。グレンさんの分を取り出す。
「ほぉ。アイテムボックス持ちか。」
「まあ、そんなところです。」
「で、職業は何をしてるんだ? 収入は? 実家は?」
なんだろう。
なんか、見合いというか、取り調べというか、そんな雰囲気になっいるんだけど。
ひょっとしてこの人はシスコンか?
もしそうなら仲間だな。
俺も唯に彼氏とか出来たらそんな事言いそうだし。
とりあえず、質問に答えていくと後ろからスパーンとハンナ義母さんの容赦ない平手打ちが。
セフィアが選んだ人なんだからちゃんと祝福しなさい。だって。
なんか嬉しいな、そう言ってもらえると。
その後グレンさんは遅い昼食を終えるとそのまま仕事に向かっていった。
レウィンさんの件には触れてないけど、まあ、なかった事にしよう。
言いづらいし。
後、木刀の事も同様に。
街中を見て回るのは明日でいいし特にやることもないのでのんびりと銭湯に浸かる事にした。
お風呂は心の洗濯とも言う筈だし、レウィンさんにはもう少しまともになってもらおう。
その際に家での話をする事になってレウィンさんが暴走しかけて、大変だった。
「疲れた。」
「お父さんがごめんね、レント。」
「あ、そっちに聞こえてた?」
「うん。結構大きく。」
「マジでか。」
「うん。マジで。」
「あれ? レウィンさんは?」
「そういえばお母さんも居ないね。」
多分そういうことなんだろうし、気にするのは止めとこう。
その数分後、二人と合流しました。
◇
家に帰った後はハンナ義母さんが夕食を作り、それをみんなで食べる。
食べるんだが……会話が弾もうともレウィンさんが結構無視されてて憐れに映ったよ。
こんな姿を見せられたら、さっきのは水に流すしかないじゃないか。
窓際リーマンのような哀愁が漂ってたし。
食休み、談笑、と時間が進み、仲良しなる為とハンナ義母さんの提案の元みんなでトランプをしました。
セフィアと仲良く遊べたからなのか、レウィンさんが元気になって良かったです。
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